自分で出汁を取ったスープでラーメンを作る。これって男のロマンじゃないですか? もちろん時間と手間はたっぷりかかる。
だから、本連載「ミウラメシ」のテーマのひとつ、“ラクチン”からはややズレてしまうかもしれない。でも、作業自体はいたってシンプル! 少しの時間と根気で自分作の、ある意味“究極”の塩ラーメンができるとあれば、チャレンジしてみる価値は、大アリだよね。
「ミウラメシ」を最初から読むとにかく煮込む! ひたすら煮込む! そして灰汁を取りながら待つ、の繰り返し。つまり、やる気と根性さえあれば、なんとかなるのが今回の塩ラーメンセット。
鶏の手羽先で出汁を取り、さらに昆布と鰹節の和出汁も加えたスープは、さっぱりなのに旨味たっぷり。つまりオッサン好みの本格派。鶏肉で作るチャーシューも、下ごしらえはちょっと面倒だけれど、しっとり柔らかでこれまたウマーシーなんだ。
【今回のメニュー】
ミウラーメン(塩)セット
【材料(2人分)】
鶏モモ肉 1枚
鶏ムネ肉 1枚
長ネギ 2本
春菊 1/2袋
ゆで卵 2個
中華麺(生) 2玉
ごはん 2膳
白ごま 少々
山椒 少々
おろし生姜 適量
◆鶏スープ手羽先 400g
ニンニク 1かけ
生姜 1かけ
長ネギ(青い部分) 1本分
タマネギ 1/2個
ニンジン 1/3本
リンゴ 1/4個
水 2L
◆和出汁昆布 35g
鰹節 30g
水 3L
◆塩ダレ和出汁 大さじ6
酒 大さじ6
塩 大さじ1と1/2
薄口醤油 小さじ1/2
オイスターソース 小さじ1/2
ホタテ貝柱(乾燥) 3個
[鶏チャーシューの漬けダレ]鶏スープ 大さじ2
和出汁 大さじ2
塩ダレ 大さじ1
[鶏チャーシュー丼のタレ]鶏スープ 大さじ2
醤油 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ1
【作り方】
◆1
【鶏スープ】を作る。手羽先は切り込みを入れ、タマネギは皮をむく。鍋に鶏スープの材料をすべて入れて弱火にかけ、灰汁を取りながら煮る。途中、水量が減ってきたら、最初の量の2/3をキープするように差し水をして調整する。2時間煮たらキッチンベーパーなどで漉す(※途中で3の鶏チャーシュー工程が入る)。
◆2
【和出汁】を作る。鍋に昆布と水を入れて強火にかけ、沸騰したら中火で2時間煮る。こちらも最初の水量の2/3をキープするように途中で差し水をして調整する。2時間経ったら昆布を取り出し、再び強火にして沸騰させたら火を止めて鰹節を一気に入れる。鰹節が鍋底に沈んだらキッチンペーパーなどで漉す。
◆3
1と2を煮始めたら鶏チャーシューの下準備をする。鶏モモ肉と鶏ムネ肉に切り込みを入れて平らに開き、クルクル巻いてタコ糸などで縛る。1の鶏スープの煮込み時間が残り30分になったら、1の鍋に入れて一緒に30分煮てから取り出しておく。
◆4
1と2が完成したら【塩ダレ】を作る。ホタテ貝柱を細かく刻み、ほかの材料とともに鍋に入れて弱火にかけ、沸騰したら火を止めてキッチンペーパーなどで漉す。
◆5
チャック付きポリ袋などに、[鶏チャーシューの漬けダレ]の材料、3の鶏モモ肉と鶏ムネ肉、ゆで卵を入れて軽く揉み込んだら冷凍庫で漬け込む。30分したら取り出して鶏肉は幅2cm、卵は縦半分に切る。
◆6
[鶏チャーシュー丼のタレ]を作る。鍋にすべての材料を入れて弱火にかけ、沸騰させて煮きる。
◆7
長ネギは白髪ネギにし、春菊は食べやすい長さに切る。
◆8
中華麺を茹でてしっかり湯切りする。【鶏スープ】500mlと【和出汁】500mlを鍋で合わせて温める(A)。ラーメン用の器に【塩ダレ】大さじ1と1/2、Aの半量(※ともに1人分)を入れ、麺、5の鶏チャーシューと玉子、白髪ネギ、春菊を盛り付けたらラーメンの完成。
◆9
丼にごはんをよそい、残りの鶏チャーシューをのせ、6のタレを回しかける。さらに白ごま、山椒をふり、白髪ネギ、おろし生姜をトッピングしたら鶏チャーシュー丼の完成。
長いレシピにも負けずに作り上げた、渾身の塩ラーメンと鶏チャーシュー丼のセット。一度口にすれば、手間ひまかけて作った甲斐があったことは、存分に実感できるはず。
[三浦理志 プロフィール]
オーシャンズモデル。愛称はマーシー。仕事のかたわら“サーフ&ノーフ”の生活を実践中。隙間を見つけては波乗りを楽しみ、数年前からは、通称「三浦農園」で収穫した野菜を使ってキッチンで腕を振るっている。
渡辺修身=写真 中里真理子=スタイリング ウツワ=撮影協力