オッサンの心に効く、カジュアル茶道Vol.3
日本の伝統文化のひとつ、茶道。長く細く続けられ、芸術への造詣も深められそうだし、オッサンの新しい趣味にぴったりだ。ただ、「結構なお点前で」なんてセリフしか知らないのが正直なところ。けれど身を固くしなくても、カジュアルに始められるのが今風なお茶のスタイルなのだとか。新しい扉、ならぬ襖を開いてみませんか?
「オッサンの心に効く、カジュアル茶道」を最初から読む前回 、茶道具の基礎のきを教わった筆者。最低限の道具なら6000円程度から揃えられることに驚きつつ、実際の道具を目の当たりにすると、自分でもお茶を点ててみたくなった。形から入ることは重要だ。
といっても、茶会に参加するというよりは、家で気軽にといった楽しみ方。なんでも、茶道では「独服(どくふく)」というらしい。そういえば、休憩でお茶を飲むときなど「ちょっと一服しようか」などというが、その「服」と同じ使い方だろう。
今回も指南していただくのは、「アバンギャルド茶会」の代表である近藤俊太郎さん。早速、独服の作法を尋ねると「あまり芸事だと意識する必要はありません。堅苦しく考えずに、最初は、コーヒーを飲むように、抹茶を点てて飲むという行為を日常のなかに取り入れましょう」とのこと。少し気がラクになった。
まずは近藤さんが、自分の家でお茶を点てて飲むときの一連の流れを再現してくれた。使う道具は前回の記事で紹介した盆略点前(お盆の上に載る必要最小限の道具を使ったお手前)よりもさらに少ない。なんと「茶碗」「茶筅(ちゃせん)」「小分け用タッパー」「ポット」の4つだけ。肝心の抹茶はどこにあるかといえば、近藤さんは毎日抹茶を点てるので、時間があるときに1回2gをタッパーに小分けしているのだとか。
「抹茶を小分けするときには、粉ふるい器や茶こしでふるいにかけておきましょう。きめが細かいものだけが残り、点てたときダマになりにくいので美味しくいただけます。また、抹茶は酸化すると味が落ちるので、小分けをしたらなるべく早めに使ってしまうことを忘れずに」
近藤さんからアドバイスをいただき、いよいよ、お茶を点ててもらう。まずは小分けした抹茶を茶碗に入れて、ポットでお湯を注ぐ。「お湯は抹茶2gに対して20〜30cc、薄いよりは濃い方が美味しいので、あまりお湯を入れすぎないように」と近藤さん。お湯を注ぎ終わったらシャカシャカと茶筅でまぜ始めた。ある程度泡立ってきたら出来上がりだ。あれ、なんか簡単すぎやしませんか?
とりあえず、点てていただいたお茶を口にすると、まろやかで苦みや渋みも少なく美味しい。さすがは先生をされているだけのことはある。でも、内心、これくらいなら簡単かもと思ってしまう。
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