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左からiPhone 8、iPhone X、iPhone 8 Plus。サイズとしては、iPhone 8に近く、iPhone 8にケースを装着すると、iPhone Xと同じような握り心地を再現できる(筆者撮影)
iPhone Xシルバーモデルのフレームは丁寧に磨かれ、これまでのマットなアルミニウムの印象を一新している。日の光の下ではガラス面と一緒にキラキラとその美しい反射光を返し、表情をコロコロと変える面白さがある。スペースグレーモデルはボディカラーに合わせてグレーの塗装が施され、グッと引き締まった印象を与えてくれる。
iPhone Xのサイズは、長さ143.6ミリ×幅70.9ミリ、厚さ7.7ミリ、147グラム。ちょうどiPhone 8 PlusとiPhone 8の中間と言われているが、実際の寸法で比較すると、iPhone 8に近いサイズだ。iPhone 8より長さが5.2ミリ、幅が3.6ミリ大きくなっている一方、iPhone 8 Plusと比べるとそれぞれ14.8ミリ、7.2ミリの差があることからも、「iPhone 8寄り」のモデルであることがわかる。
筆者はPlusモデルの大画面と2つのカメラに魅力を感じているが、手が小さく片手で操作しにくいという理由から、iPhone 7シリーズ以降、4.7インチのiPhoneを選んできた。iPhone Xはそんな4.7インチモデルを好む人にとっても、小幅なサイズで、iPhone最大のディスプレーを楽しめる、そんな絶妙なサイズを実現している。

迫力と画質が実現するSuper Retinaディスプレー

全面ディスプレーとなったSuper Retinaディスプレーは、有機ELパネルを採用した5.8インチだ(筆者撮影)
iPhone X最大の進化はディスプレーだ。iPhone XとこれまでのiPhoneの違いのすべては、全面をディスプレーとした新しいデザインをきっかけに展開されている。新たに採用された縁のない5.8インチ有機ELディスプレーを実現するための問題解決を、ハードウエアの技術とソフトウエアデザインで行った、iPhone Xの本質と言ってもいいだろう。
iPhone Xのディスプレーは、前面いっぱいに敷き詰められており、角も四角ではなく、デバイスの形状に合わせて丸められている。センサーハウジング、あるいはノッチと呼ばれる部分がディスプレーにせり出している以外は、まさにディスプレーしかないデザインだ。前面のデザインについて、それ以上語ることはない。
ディスプレイ上部には、センサーハウジングと呼ばれるせり出した部分があり、深度を計測できるインカメラ、TrueDepthカメラが内蔵される。その左右に、情報表示が行われる(筆者撮影)
有機ELディスプレーを搭載するAndroidスマートフォンにも、全面のディスプレーは存在していた。しかし上下に黒いディスプレーではない領域が、帯として残っていることが多い。この部分にはディスプレーの端子があるからだ。
アップルはこの1センチ程度の帯にも妥協しないため、デバイスの内部で有機ELパネルを折り曲げて実装し、ディスプレーの端子をディスプレーの裏側に潜り込ませた。iPhone Xのディスプレーは平らな平面であり、湾曲したり折り曲げられる構造にはなっていない。しかし縁までディスプレーを敷き詰めるために、パネルを折り曲げる技術を用いているのだ。


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