年を重ねるうち、休日にさえ革靴に手が伸びるようになってきた。とはいえ、かつてはその身を捧げるように夢中になったスニーカー愛。そう簡単に冷めるなんてことはない。好みのデザインを見つけては胸を躍らせ、手に入れるたびにまた欲しくなる。そんな人たちへ捧げる「オーシャンズ」なスニーカー。履くだけで得られる、サーフテイストや清潔感、そしてリラックス感。色、柄、素材、デザイン。あらゆる目線で見つけた今季の最新作。
UGG アグ
ウォッシュ加工を施した真っ赤なアッパーから、キャンバス地の白がうっすら顔を出す。その様は、さながら潮風に晒されてきたかのよう。絶妙なフェイドカラーに、軽量なEVAソールも相まってリラックス感満点だ。
BENSIMON ベンシモン
フランス発のキャンバススニーカーは、ボテっとしたユルいフォルムがクセになる。色褪せたコバルトブルーの色彩も実に優しい印象だが、その見た目に反しベースは軍用のトレーニングシューズといたって硬派。
BILLY’S × GRAVIS ビリーズ × グラビス
エクストリームスポーツがバックグラウンドにある同ブランドの「クレイモア」。その人気作を太畝のコーデュロイで刷新。どうやら古着をイメージしたデザインとか。レトロサーフな顔つきに思わず納得。
MÖBUS モーブス
言わずと知れたドイツの老舗が、「ヨーロピアンリゾート」のテーマのもとスリッポンを製作。生地に使用したのは日本生産の高品質なコットンキャンバスだ。織りで表現したマリンボーダー柄がどこかチルなムード。
SPERRY TOP-SIDER スペリー トップサイダー
今年の春に登場したのが、ヨットレースで使用するシューズからインスピレーションを得て作られた「セブンシーズ」。デッキシューズを思わせるルックスにとどまらず、内部には水抜きを備え、素材には速乾性のあるメッシュを採用。まさに“海”な一足。
REEF リーフ
リーフといえば、サーファーのライフスタイルを反映させたモノ作りを行うことで有名。こちらの「リーフ リッジ」はその定番モデルで、クッション性に優れるインソールはハダシで履きたくなるほどの柔らかさ。新色の日焼けしたようなカーキがなんとも男らしい。
SUPERGA スペルガ
‘90年以上の歴史を持つブランドを代表するロングセラーモデル。清々しいブルーで彩られたキャンバスアッパーは清潔感に溢れ、爽やかな印象を後に残す。モナコやカプリといったリゾート地で好まれてきた来歴も頷ける。
SATURDAYS NYC サタデーズ ニューヨークシティ
アッパー全面を覆っているのは柔らかな毛足のハラコ。それにより見た目は実に品がいい。海と街の距離を縮めた立役者の手にかかれば、ミニマルなホワイトのスリッポンすらアーバンサーフな雰囲気に。
リラックス感や素朴な佇まい、そして海や空を想起させると色使い。我々の好きな要素がひとつでも感じられるだけで自然と愛着が湧いてくる。そんな一足なら、この先もずっとともにできそうだ。
清水健吾=写真 松田有記=スタイリング