小さな変化でデニムの印象を大きく変える。それをかなえてくれるのが「カットオフ」だ。ただ、切ったあとの処理をいかに自然に見せるか、自分らしく仕上げるか、これがとっても難しい。でも、ご安心を。今季はセンスのいい仕上がりのカットオフデニムが続々登場しているのだから。
こげ茶のスエード製バルスターにポロシャツ、デザートブーツを合わせて渋みを利かせた装いに、カットオフデニムがいい抜け感を演出。デニムは東京発、レディスブランドとして誕生しただけあり、日本人の丈感に合わせたカットオフ仕様。また、それ以上ほどけることのないよう“捨てミシン”をかけるなど、大人も安心できる配慮が行きわたる。
≪大きく印象を変えるカットオフサンプル≫ちょっとアレンジを入れたスタイルもまた面白い。カットオフひとつとっても、まだまだ遊べるのだ。
独特な裾のアタリがこだわりの証し裾のステッチをあえてほどき、独特なアタリを残したようなカットオフ処理。14オンスという厚手の生地選びや裾に向かってストンと落ちるストレートシルエットにも、今季始動した新鋭ブランドのこだわりが光る。コートに合わせてデニムの直線的なラインを活かした装いに。
カットオフの“ひと折り”もお試しあれ「クロスオーバー」と名付けられたユニセックスではけるデニム。日本製のセルビッジデニムを使い、メイド・イン・USAにこだわったボクシーなシルエットが魅力だ。裾は文字どおり切りっぱなしで糸を粗く残した処理。あえてひと折りして、その表情を楽しむのも一興である。
リメイクの技が光る個性的な裾ヴィンテージの古着やデッドストックを用いた独創的なリメイクが十八番のデザイナー、中村仁紀。本作はビッグサイズのヴィンテージデニムにダーツを入れてリサイズしながら、裾の段差を効果的にデザインした。そのニュアンスがシンプルコーデにいいアクセントになるのだ。
デニムスタイルのマンネリ化には、カットオフという刺激を。若者だけの特権だと思うことなかれ。ラフで味のあるリラックス感はオッサンにだって有効だ。最旬のスタイルを味方につけて、デニムといつまでも良好な関係をキープし続けよう。