37.5歳からはじめる家飲みワイン Vol.4
大人の男たるもの、ワインを気取らずに楽しみたい。さらっと友人・知人宅へのお持たせにするのも粋だし、ホームパーティでみんなでワイワイ楽しむのもいい。……けれど、よくよく考えてみたら楽しめるだけの知識がない!? そこでオッサンが知っておきたい“家飲みワイン”のツボを紹介しよう。
今度の週末は、友達や同僚を呼んでホームパーティー! そのためにこだわりのワインも用意したいけど、誰もがお酒に強いわけじゃない。とはいえ、お茶やお水で乾杯じゃ味気ない。
そこで、あまりお酒が得意じゃない人でもおいしく飲める「サングリア」の作り方を、ワインショップ・エノテカ 広尾本店のソムリエ・白須悠佑さんに教えてもらった。まず、用意する材料と容器は?
「基本の材料は、好みのワインと好みのフルーツ。容器は、1L程度の蓋付きのものを用意しましょう。透明のものだとフルーツが見えて、見栄えも華やかになります」(白須さん・以下同)

サングリアに向いているワインはあるのだろうか。
「赤ワインは、色も味わいも濃いタイプがフルーツと合いやすいです。逆に白ワインは、すっきりしたタイプがサングリアに向いています。赤白ともに飲みやすさを重視するなら、製造年が新しいものを選びましょう。熟成したワインは、お酒っぽさが立ちやすくなります」
濃厚な赤、軽めの白に合わせやすいフルーツは、どんなものが挙げられるだろう。
「赤ワインには、いちごやクランベリー、ブルーベリーなどワインレッドに近い色味の果実が合わせやすいです。パイナップルなマンゴーなど、味わいがしっかりした南国系のフルーツとの相性もいいです。白ワインには、オレンジやグレープフルーツといった柑橘系がベスト。レモンやライムなど酸味の強いものも合いますし、アクセントにミントを入れても爽やかでおいしいですよ」

ワンランク上の味に昇華する、隠し味はジュース&サイダー
作り方は簡単で、カットしたフルーツを容器の2/3程度まで入れ、あとはワインを注ぐだけ。勢いよく注ぐとワインのえぐみが出やすいため、ゆっくり注いだ方がよいという。
さまざまな組み合わせでサングリアを作ってきたという白須さんに、「これを合わせるとレベルが上がる!」という材料を教えてもらった。
「赤ワインのサングリアには、仕込む段階でリンゴジュースやオレンジジュースを加えると、味にまとまりが出ます。ワイン3:ジュース1の割合がちょうどいいですが、より飲みやすくしたい場合はジュースを多くしてもOKです」

「白ワインのサングリアに合わせておいしかったのが、サイダー。赤ワイン同様に、仕込みの段階でワイン3:サイダー1の割合で加えましょう。清涼感がありつつ、ほどよい甘さとフルーツの風味が広がります」

白須さん曰く、「赤白どちらも、少しだけブランデーを加えると風味が豊かになる」とのこと。フルーツだけでなく、プラスする飲みもの次第で、味わいは何通りにも変化しそうだ。
“切って、注ぐ”2ステップでサクッと作れる手軽さも魅力
さっそく、教えてもらったレシピをもとに、自家製サングリアに挑戦してみた!
ワインは、赤白ともに1500円以下のものを用意。赤ワインにはラズベリー・ブルーベリー・マンゴー、白ワインにはオレンジ・レモン・ライム・ペパーミントをイン。白須さんおすすめのリンゴジュースとサイダーも、それぞれ加えた。

できあがったものをテイスティング。赤のサングリアは、フルーツの甘みが加わり、リンゴジュースが効いていて飲みやすい。華やかさがプラスされた印象だ。
白のサングリアは、ライムとミントがアクセントになり、とにかく爽やか。サイダーの炭酸の刺激もほどよく、ついつい飲みすぎてしまいそう。

どちらも休日の昼下がりからクイッと飲みたくなる味わいで、甘みもワインの風味も感じられる仕上がりに。仕込みも、フルーツを切ってワインを注ぐという2ステップで、15分もかからなかった。ほかの組み合わせも試してみたくなる。究極のサングリア作り、いい趣味になりそうだ。
取材・文=有竹 亮介(verb)