秋からの装いを楽しくするアウター選び。どれを手にするか迷っているなら、ファッション業界のオッサンたちが選んだアイテムを参考に。風が冷たくなってきた今日この頃、あなたは何を選ぶ?
「ベルベルジン」ショップマネージャー
藤原 裕さん Age 39
ヴィンテージに精通する藤原さんは、どんな時季でもデニムが”主食”。そろそろGジャンでそれを堪能できる季節が近づいているが、今秋はシルエット選びがいつもと違うそう。「肩がしっかり落ちるくらいのものが気分なんですよね。むしろイナタイくらいに。その”ブサイク具合”を楽しむ感覚です」。着こなしは、それがだらしなく見えないようにGジャン以外はモノトーンで落ち着かせる。今っぽく、自分らしく、大人っぽく。藤原さんにとってそのバランスが取れるのがヴィンテージのGジャンなのだ。
「トニー タイズサン」ディレクター
清水 泰さん Age 41
「友人と昔話をしていたら久々にバンソンのライダーズ熱が盛り上がって。思わず別注してしまったんです(笑)」。ただ、当時のままにならないよう着丈を長めにアレンジし、しなやかに鞣したレザーを採用してモダナイズ。「見た目はタフでも薄くて柔らかいから、今の時季から楽しめます。最近気になっている爽やかなマリンボーダーに合わせてワイルド&マイルドに着たいですね」。ジャケットライクなライダーズの新しい楽しみ方、たしかに新鮮だ。
「ヴィア スペア」デザイナー
田村佳一さん Age 39
多くのオーシャンズ世代同様、青春時代にアメカジの洗礼を受けた田村さんは、「この年になってゴリゴリのアメカジにならないように気を付けている」のだとか。そんな彼がクローゼットから引っ張り出したのがカバーオール。「まだまだショーツをはきたいけれど、肌寒さも出てくる季節の変わり目にいいかなと。着丈が短めなので、パンツとのバランス次第で少しモードな雰囲気にもなるんです」。腰に巻いたカーディガンで色を挿し、軽快感をプラスしたのもウマい。
「イトナム」代表取締役
名村恒毅さん Age 40
「ジャンパーは気になるんですがオジサンっぽさが苦手で……」という名村さんが「これは!」とチェックするデニム仕立ての一枚。実はコーチジャケットをベースにしたパターンを採用しており、ストリートな感覚で着こなせる。そして、共地のパンツも展開されていることが決め手となったとか。「セットアップならコーディネイトも不要でラクチンですからね。ともあれ、初めて安心感のあるジャンパーに出会えました(笑)」。
「トライシープス」代表取締役
阿久戸秀高さん Age 50
「グラフィックTシャツにワークパンツという”基本”は通年で変わりません。だから、そこに着足していけることがアウター選びの大前提」。そんな阿久戸さんが選ぶのはオフ白のTCツイル製トラッカージャケットだ。「デニム地じゃないってのがポイント。視覚的な暑苦しさがないから初秋にいいでしょ?」。気温が下がってきたらレイヤードを楽しむ予定。白いGジャンの可能性は、冬本番まで広がっている。
「サンカッケー」デザイナー
尾崎雄飛さん Age 37
「冷房が苦手なので夏のうちから常にカバンの中に忍ばせていたのがコレ」。ノーカラーゆえカーディガンのように着用できるジャケットは、トレンド感の強い”和”なデザインだ。しかもシルクのシアサッカー素材で着心地も文句なし。「夏のアロハに引き続き、秋もオリエンタルなマイブームは継続中。よってシンプルスタイルの味付けにはこんな一着を」。ネイビーだから意外と着こなしも簡単なんだとか。
出揃ったものは十人十色。でも、その理由を聞けばなるほど、どのアウターも確かに魅力的。ついこの間まで暑かったのに、秋は足早に近づいてきた。あなたの”今季の顔”選び、まだ決まっていないなら、彼らの選択を参考にしてみてはいかが?