海という、地球上で最もシビアな場所に適応するためにスペックが磨かれ、進化を遂げてきた時計がある。ダイバーズをはじめとするそれらは、機能ではもちろん、海を感じさせるデザインでも僕らの心を躍らせるのだ。
[左]CITIZENシチズン/プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 1000m設計値で22.2mmという極厚ケースで話題をさらった新作。10時位置にヘリウムガス排気バルブを備え、飽和潜水用で1000mもの防水性能を誇る。さらに同社独自の光発電エコ・ドライブによって定期的な電池交換が不要になり、充電量表示機能で事前に充電残量も確認可能。ダイビング中に時計が止まる心配も解消した。逆回転防止ベゼルにはロック機構が付き、ダイバーの命に関わる時間計測機能にも万全を期している。
[中]EDOXエドックス/デルフィン オリジナル クロノグラフ1961年に登場した初代「デルフィン」は、エドックスが特許を取得したダブルOリングと衝撃を吸収する特殊な構造を持つ頑強なケースによって、リュウズをねじ込むことなく200m防水を実現した。その流れを汲んで今年発表された新作は、ねじ込み式リュウズを採用するものの、クロノグラフとしては驚きの200m防水を達成。誤操作を防ぐためにリュウズの凹凸を極力抑えたことで、ビジネスシーンでも使えるスマートさも手に入れている。
[右]TAG HEUERタグ・ホイヤー/アクアレーサー1982年の登場以来、進化し続けるタグ・ホイヤーのアイコニックモデルのひとつが「アクアレーサー」だ。シンプルな3針クオーツウォッチながら、しっかりと日付表示が付けられ、ダイバーズとしては十分な300mの防水性能を備える。視認性を考慮してある程度のケースサイズを保ちつつ、日付表示は文字盤上で最小限の大きさにとどめられる。一方で、文字盤とアルミニウム製の逆回転防止ベゼルには流行のブルーを配し、ファッション性もアピールする。
BLANCPAINブランパン/フィフティ ファゾムス バチスカーフ2013年に、「フィフティ ファゾムス」の現代的な解釈として誕生した“バチスカーフ”。そのラインナップに今夏、ディープブルーで彩られた小ぶりな新作が加わった。ベゼルにはブルーセラミックスをインサートし、目盛り表示にはリキッドメタルを採用。ダイバーズとして十分な30気圧防水を備える。
BVLGARIブルガリ/ディアゴノ スクーバ1994年に発表された「ザ・スクーバ」の後継機として、洗練されたイタリアンデザインとスイスのウォッチメイキングというアイデンティティを受け継ぐ「ディアゴノ スクーバ」。防水性に関して多くの特許を取得することでも知られるが、今年の新作は写真のイエローのほかオレンジ、ホワイトの全3色展開で大人の遊び心も演出。
LONGINESロンジン/ハイドロコンクエスト“ブラックアウト”日本限定モデルねじ込み式リュウズを採用することで30気圧防水を実現したダイバーズが、日本限定モデルとして装い新たに登場した。高級感を湛えたブラックPVD加工のケース、ブラックセラミックス製のベゼルを身に纏い、よりスタイリッシュに仕上がっている。通常より蓄光性が高いスーパールミノバやシェイプされたブレスレットなど、細部もアップデート。日本限定500本。
OMEGAオメガ/シーマスター プラネット オーシャン クロノグラフ“ディープブラック”昨年、ケース、ケースバック、ベゼル、リュウズ、ダイヤルのすべてにブラックセラミックスを採用したモデルを発表したオメガ。迎えた今年は、これまでのGMTに替えてクロノグラフを搭載している。ストラップのオレンジステッチに加え、逆回転防止ベゼルに示された15分までのスケールにもオレンジラバーを採用。ブラックとのコントラストが実に印象的だ。
BALL WATCHボール ウォッチ/ストークマン NECC300m防水に加え、耐衝撃性(5000Gs)も持ち味。針とインデックスに「マイクロ・ガスライト」を搭載し、暗闇での優れた視認性も備えている。従来はオレンジなどのビビッドな色彩で知られたシリーズだったが、今年の新作は写真のホワイト文字盤のほか、オールブラックも用意されるなどシックな配色に生まれ変わっている。
ビーチや海では、バツグンの機能性と存在感を発揮してくれる。もちろんTPOを考慮しないといけないが、普段使いとして一本でハズしてみる、そんな場面があってもいいかもしれない。時計はただ時間を知るためのツールではなく、趣味や嗜好を表現する手段でもあるからだ。タフな海男を自認する人にこそおすすめの“オーシャンズ”な時計たちを、ぜひ手に取ってもらいたい。