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2017.04.30

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ホッピー瓶の「桜の花マーク」は創業者の大和魂から

長野の野沢で青々と茂るホップ畑を見たのがきっかけ

前回はホッピーへの愛を熱く語った。今回はその歴史をおさらいしたい。
「ホッピーという名の愉悦」を最初から読む
ホッピーの起源は故・石渡 秀氏が1905年(明治38)に東京・赤坂で開いた石渡五郎吉商店までさかのぼる。六本木の歩兵連隊に餅菓子を納めるという商いだ。
当時、石渡氏の年齢はなんと10歳そこそこ。さらに、軍からの要請でラムネの製造販売を始める。ラムネはハイカラで元気が出る飲み物として人気を博し、商売は順調だった。
創業者の石渡氏。写真は1948年(昭和23)に撮影されたもの
そんな彼がホッピーの開発に乗り出したきっかけは、長野の野沢で青々と茂るホップ畑を見たこと。石渡は「本物のホップを使った本物のノンアルコールビールを作ろう」と決意する。やがて、コクカ飲料株式会社と改組し、1948年(昭和23)に赤坂という都心の一等地で「麦芽発酵飲料ホッピー」の開発・販売がスタートした。

1981年(昭和56)には1日に20万本を売るまでに成長

ところで、ホッピーの瓶には桜の花のマークが入っている。その理由がずっと気になっていたのだが、ホッピービバレッジ広報の原 知代さんはこんなエピソードを教えてくれた。
秀さん、桜が好きだったのだろうか
「時代は戦後の復興期。石渡は『地下鉄の中で若い女の子が進駐軍にからまれているのに、日本人の乗客はみんな見て見ぬ振りで助けようとしない。そこで自分が助けた』と言っていました。『ニッポン男子よ、大和魂を忘れるな!』と憤り、もっと国を大事にしよう、日本という国に誇りを持とうという思いが国華、すなわちコクカという社名と桜の花のマークにつながったようです」(以下、同)
おおお、まさか裏にそんないい話があったとは…。
「闇市に出回っていた『カストリ』『バクダン』といった粗悪な密造焼酎も、ホッピーで割ると飲みやすくて美味しいということで売れに売れたと聞いていますね」
コクカ飲料時代に行われた業者向けの展示会
以降、ホッピーは東京発の焼酎割り飲料として定着し、1981年(昭和56)には1日に20万本を売るまでに成長した。しかし、これが売上のピーク。長い低迷期に入るが、90年代半ばにホッピービバレッジ株式会社に社名変更し、ブランドイメージを変える戦略をとる。
さらに、創業者の三代目で「ホッピーミーナ」の愛称で知られる石渡美奈氏が2003年に副社長に就任すると(2010年(平成22)に社長就任)大規模な社内改革を実施。売り上げは徐々に伸び、現在は社員数が約40名にもかかわらず、年間売上高約40億円を誇っている。
取材・文/石原たきび
取材協力/ホッピービバレッジ株式会社 www.hoppy-happy.com/
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