シックな大人の佇まい。異素材融合の “コンビモデル” 腕時計5本を厳選
SSにゴールドを一部にあしらうなど、異素材を合わせた通称コンビモデルの人気は根強い。1980年代に流行ったギラついた印象から、近年ではシックな傾向に。
その洒落っ気は大人の男にこそ似合うのだ。
デザインばかりでなくマテリアルもモダンに進化

CHOPARD
ショパール/アルパイン イーグル ラージ
1980年に登場したメゾン初のスポーツウォッチ「サンモリッツ」に現代的な解釈を施すとともに、素材にも革新をもたらした。採用するルーセント スティール A223は、低刺激性の合金組成による低アレルギー性に加え、一般的なSSの1.5倍の摩耗耐性を備える。
また高い純度によってゴールドにも匹敵する輝きと硬度を併せ持つ。これに国際的なベストプラクティスに基づくK18エシカルローズゴールドを組み合わせ、コンビの美しさは社会的な意義にも裏付けられている。
時代を超越したスタイルがひと際風格を増して

BREITLING
ブライトリング/クロノマット B01 42
1984年に登場したクロノマットは、航空時計のシンボルとしてブランドの名を広く一般に知らしめた。ベゼルに備えたライダータブは、位置を入れ替えればカウントダウンにも使用でき、またフランス語で筒状を意味する名の由来となった、円柱の駒が連なるルーローブレスレットなど今見ても斬新だ。
この独創的なスタイルを復活するとともに、K18レッドゴールドとのコンビネーションが空の覇者の風格に華やぎを添える。
オクトという個性を彩るスタイリッシュコンビ

BVLGARI
ブルガリ/オクト ローマ
310年前後に建造されたローマ古代遺跡から着想を得たオクト(八角形)は、今やブルガリのメンズウォッチのアイコンになった。「オクト ローマ」は、そのフォルムをよりシンプルに純化したケースで、ビジネスシーンを含む多彩な用途に応える。
さらにマルチピース構造のメリットを活かし、SSとK18PGを組み合わせることで、オリジナリティを際立たせた。そしてコンビの美しさをブレスレットにも展開し、直線基調の力強くシャープな印象ながらしなやかな動きも予感させるのだ。
唯一無二のデザインが拓く次世代コンビの可能性

BELL & ROSS
ベル&ロス/BR 05 ブラック スティール&ゴールド
昨年登場した「BR 05」は、四角と丸というデザインモチーフを受け継ぎ、都会の冒険者に向けた計器として新たなブランドアイコンになった。その魅力に加わったコンビモデルは、未来的なエルゴノミックスタイルを際立たせ、まさに都会的な洗練を感じさせる。
四隅にビスを備えたローズゴールドのベゼルで縁取りされたブラックダイヤルは、強い個性を印象付けるとともに、ケースと統合したブレスレットもコンビで統一し、トータルデザインを完成させるのだ。
紳士であると同時に、輝く男でいたい

TISSOT
ティソ/ティソ ジェントルマン
丸形ケースは時計の王道であり、シンプルを極めるほど個性を出しにくい。その本質は、周囲の目を引くようでは紳士のファッションとは言えない、という金言に通じるのかもしれない。「ティソ ジェントルマン」はまさにその精神を貫く。
ダイヤル中心から上下左右を分割して伸びたラインにしても視認性という実用本位のシンプリシティを追求する。だがそこに唯一鮮やかな個性を添えるのがK18ローズゴールドのコンビだ。その余裕と存在感は男の時計と呼ぶに相応しい。
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール、K18=18金、PG=ピンクゴールド
柴田 充=文