Watchの群像劇 Vol.9
2020.02.29
WATCH

腕時計と男の物語。そこにはIWCのパイロットウォッチがあった

男には愛用の腕時計がある。最高の相棒として、その腕時計は男と同じ時間を刻んできた。楽しいときも、つらいときも、いかなるときも、だ。

そんな男と腕時計が紡ぐ、とっておきの物語をここで。

 

本質を求める男の腕元に、
不変のスタイルを持つパイロットウォッチを

本質を求める男の腕元に、 不変のスタイルを持つパイロットウォッチを/IWC
腕時計「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア」70万円/IWC 0120-05-1868、カーディガン2万5000円/ルトロワ(八木通商 03-6809-2183)、シャツ1万9000円/フリーマンズ スポーティング クラブ(フリーマンズ スポーティング クラブ 大丸心斎橋 06-6484-5287)、タイ1万6000円/アーディ&シー 1956 ミラノ(インターブリッジ 03-5776-5810)

慌ただしい年末、そして穏やかな年始のムードが過ぎ去った1月半ば、愛用のオフローダーで峠道を急いだ。向かうのは友人の山小屋。そこで新年の挨拶を交わすのはもちろんだが、退職し新たなスタートを切ることとなった友人を祝うためでもあった。

同期の彼とは同じ研究職ということもあり、親友であり、競い合うライバルでもあった。こちらが応用研究だったのに対し、基礎研究を担当していた彼の職場はあまり日が当たらなかったが、むしろ学者肌の彼にはそれが向いていたのだろう。

彼がよく口にしたのは“ライトスタッフ”という言葉だ。本来は“正しい資質”といった意味だが、彼にとっては本質や真理を問うことに近かったのだろう。実直な彼らしいところでもあり、それは好きだった映画『ライトスタッフ』に影響を受けたことは間違いない。

国民のヒーローとして名声を集めるアメリカ初の宇宙飛行士たちと、音速の壁にひたすら孤独な挑戦を続けるテストパイロット。いずれも死と隣り合わせにあっても勇気を持って挑み続ける姿勢であり、もしかしたら自身の目指す理想や美学をそこに重ねたのかもしれない。そんな彼だからこそ、腕時計はIWCの「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア」を愛用した。

シンプルかつ機能的な計器のデザインをモチーフに、高い視認性や操作性を備え、軟鉄製インナーケースにより、実験室のような高い磁場の環境でも問題なく使える。研究者らしからぬスポーティなスタイルだが、精度にこだわり、堅牢性や信頼性を重視する彼に相応しい選択でもある。きっと実験に明け暮れる日々の時を刻んだことだろう。

決して頑固ではないが、研究に関しては意志を貫いた。そしていわれのない責任を押し付けられ、任を解かれることが決まったときにはすっぱりと会社を辞めることを選んだ。

「大学の研究室にでも入るさ。気軽なもんだよ」と笑っていたが、忸怩たる思いだったことは間違いない。それは、誰よりも勇気と技能を備えながら大卒でないばかりに宇宙飛行士には不適格とされ、それでも飛びたいと月給283ドルのテストパイロットを選んだ男に似ていた。

ヘッドライトの先に目的地の明かりが浮かんだ。それは“正しい資質”であり、闇を照らす“光の本質”を思わせたのだ。

 

時代を超越し、パイロットが憧れたクロノグラフ

IWC アイ・ダブリュー・シー/パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア
SSケース、41mm径、自動巻き。70万円/IWC 0120-05-1868

IWC
アイ・ダブリュー・シー/パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア

IWCのパイロットウォッチの歴史は1936年の「スペシャル・パイロット・ウォッチ」に始まり、’48年には名作「マーク11」が登場。これはコックピット内の強い磁場からムーブメントを守るため、耐磁性軟鉄製ケースを内蔵するという画期的な機構を採用し、約15年間、英国王立空軍(RAF)の最高航空士のみに支給されたエリートの証しだった。

現行モデルはこうした伝統とともに、洗練を極めた機能美を継承し、コレクション初の自社製69000系キャリバーを搭載した。さらに従来よりもケース径をサイズダウンさせることで、より日常使いしやすくなっている。

 

※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール

川田有二=写真(人物) 菊池陽之介、石川英治=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 柴田 充=文

# IWC# Watchの群像劇# パイロットウォッチ# 腕時計
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