身振り手振りというほど、腕元の動きは目立つもの。それだけに時計のアピール力は高く、控えめなサイズであっても注視を集める。だからこそ、時計は見た目が最重要ともいえる。
ダイヤル&ケースに個性の宿るデザインはその効果を確信犯的に演出してくれるはずだ。確信犯とは本来、大勢に逆らおうとも自分の信じる信念や道徳に基づくことであり、その洒落た気骨にも誰もが目を見張るのだ。
RALPH LAUREN
ラルフ ローレン/スティラップ
ラルフ ローレンの本格的なウォッチコレクションの象徴として「スティラップ」が誕生して早くも10年を迎えた。ユニークなフォルムは、モデル名が示すとおり、乗馬の鐙(あぶみ)をモチーフに、ライフスタイルに根ざすブランドならではの世界観を表現する。
そこには時計収集家としても名高いラルフ・ローレン氏の造詣の深さやセンスが存分に注がれ、風合いのあるレザーストラップとも調和し、ヴィンテージのような風格も漂う。いくつになっても使い続けられる形に、アメリカントラッドの伝統が息づいている。
HERMÈS
エルメス/ケープコッド
ジュエリーにあまり興味のない男でもエルメスの
傑作ジュエリーと名高い「シェーヌ・ダンクル」は気になる存在だろう。船の錨の鎖をモチーフにしたシンプルなデザインに、あえてシルバーを用いて潮の香りと力強いエレガンスを融合する。
これに着想を得て1991年に誕生したモデルが「ケープコッド」だ。正方形の文字盤を取り巻く、ベゼルと一体になったケースにそのスタイルを受け継ぎ、さらに数字インデックスのタイポグラフィにも独特のフォルムが息づく。気品ある男のジュエリーウォッチだ。
2/2