2019.07.21
WATCH

挑戦を止めれば次はなし。名門たる所以がわかる3名門の最新時計

名門と呼ばれるブランドでも、その座は安泰ではない。絶えず自問自答を繰り返し、新たなコンセプトを打ち出している。そうした挑戦こそが、時計界に革新をもたらす、名門の名門たる所以。そして、いつだって俺たちを勇気づけ、鼓舞してくれるのだ。


AUDEMARS PIGUET
オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・オートマティック
アイコニックピースに安穏とすることなく、さらなる挑戦へ

AUDEMARS PIGUET オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・オートマティック アイコニックピースに安穏とすることなく、さらなる挑戦へ
K18WGケース、41mm径、自動巻き。280万円/オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000

かの有名な時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタがデザインした「ロイヤル オーク」を擁するオーデマ ピゲは、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」で新たな挑戦へ向かう。正面からはシンプルなラウンドながら、ミドルケースにはブランドのデザインコードである八角形を秘める。細くシェイプされたベゼルに、ラグはオープンワークが施され、実は下部はケースバックと接していないというユニークな構造。

また風防は、サファイアクリスタルにダブルカーブを施し、3次元のフォルムは見る角度によって光学的紋様を浮かび上がらせる。もちろん中身も新開発の自社キャリバーを搭載し、盤石だ。モデル名が示すのは、新たな1日の始まる1分前(11時59分)。まさにここから未来への扉が開かれるのだ。

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サファイアクリスタルの風防は、内側がドーム状の曲面なのに対し、外側は縦方向にカーブを描く。斜めから見ると中心から同心円状のパターンが浮かび上がる。
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ミドルケースは八角形にシェイプされ、細いベゼルとオープンワークが施されたラグがフレーム構造のように包み込む。
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現行のキャリバー3120に代わる次世代キャリバー4302。4Hzのハイビート化と従来の60時間から70時間へのロングパワーリザーブに改良された。精度と実用性を増す一方、回転ローターは特製K22ゴールドを採用し、高級感を漂わせる。
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VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/フィフティーシックス・コンプリートカレンダー
洗練のレトロモダンに、美しいブルーが先進性を彩る

VACHERON CONSTANTIN ヴァシュロン・コンスタンタン/フィフティーシックス・コンプリートカレンダー 洗練のレトロモダンに、美しいブルーが先進性を彩る
SSケース、40mm径、自動巻き。237万円/ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755

ファッションでは、従来のドレスとカジュアルの中間に位置する“インフォーマル”が注目を集め、多様化するライフスタイルに対応する。「フィフティーシックス」が挑戦するのは、まさにこのインフォーマルだ。だがそれには前例がある。1950年代に発表されたブランド初の自動巻き式は、手巻き式の時代からより活動的に変わる社会や生活を象徴し、高く支持されたのだ。このアーカイブをモチーフに、ケースにはシンボルのマルタ十字をデザイン。

そして現代の息吹を与えるのが本コレクションの専用カラー“ペトロールブルー”のダイヤルだ。実用性のあるコンプリートカレンダーは、日常でいつでも味わうことができる。こうした挑戦を続けるからこそ、名門マニュファクチュールの歴史はさらに続く。

日付と曜日、月表示に加え、ムーンフェイズも備えるキャリバー2460 QCL/1。/ヴァシュロン・コンスタンタン

日付と曜日、月表示に加え、ムーンフェイズも備えるキャリバー2460 QCL/1。ケースバックからはK22PG製ローターを見ることができ、そこにはマルタ十字のモチーフがあしらわれている。

1956年に発表された「リファレンス6073」は、ブランド初の自動巻きムーブメントを搭載し、新たな時代の到来のシンボルになった。/ヴァシュロン・コンスタンタン

モチーフになったアーカイブはコレ!
1956年に発表された「リファレンス6073」は、ブランド初の自動巻きムーブメントを搭載し、新たな時代の到来のシンボルになった。その先進性に相応しく、伝統的なフェイスに、マルタ十字の4枝をアレンジした特徴的なラグを組み合わせる。その精神とデザインを受け継ぐコレクションが「フィフティーシックス」なのだ。


CHANEL
シャネル/J12
アイコンモデルの熟成進化にブランドの真骨頂を垣間見る

CHANEL シャネル/J12 アイコンモデルの熟成進化にブランドの真骨頂を垣間見る
高耐性セラミックス×SSケース、38mm径、自動巻き。63万2500円/シャネル 0120-525-519

ブランドは一朝一夕にならず。そしてヘリテージの価値を守り、育てることでより強固になる。「J12」が示すのは、まさにその真理だ。20周年の節目を前に刷新した内容は、見た目にはほとんど違いがわからない。そこには“何も変えずに、すべてを変える”というコンセプトが息づいているからだ。

インデックスや書体のリファイン、ケースの厚みや微細なバランスの調整。そしてセラミックスのケースはモノブロック化され、シースルーバックを新採用。ムーブメントは、外見から個性を強調したオリジナルキャリバーだ。実に全体の70%以上も新しくなっているにもかかわらず、基本のスタイルは決して変わらない。それはセラミックスと同様、いつまでも美しく輝くのだ。

[左]搭載する自動巻きムーブメントは、シャネルのウォッチメイキングのシグネチャーのひとつである“円”を強調したデザイン。クロノメーターを取得し、70時間のパワーリザーブを備える。

[右]「J12」の誕生には、当時のアーティスティックディレクター、ジャック・エリュの存在が不可欠だった。彼は美とダンディズムを愛し、アメリカズカップの競技艇からその名を付けたのだ。


※本文中における素材の略称は以下のとおり。SS=ステンレススチール、K22=22金、K18=18金、PG=ピンクゴールド、WG=ホワイトゴールド

星 武志(エストレジャス)=写真 柴田 充、髙村将司、渋谷康人、水藤大輔、中村英俊=文

# ヴァシュロン・コンスタンタン# オーデマ ピゲ# 腕時計
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