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2019.07.01

時計

天体の美しさにどっぷり……腕元で輝くロマンチックな腕時計


見上げた空の向こうに僕らは想いを馳せる。その先に何があるのかと考えるだけでもロマンチックな気分にどっぷりと浸れる。星や月、宇宙空間、そして、舞い散る雪……。腕元にそれが感じられるなら、なんという幸せ。


アーノルド&サン/HMパーペチュアル・ムーン、ピアジェ/アルティプラノ、カンパノラ/コスモサイン AO4010-51E

1_ARNOLD SON
アーノルド&サン/HMパーペチュアル・ムーン
リアルにして巨大な月と、美しき星空の額縁が競演


何より目を引くのが、42mm径のケースに収まるダイヤルにおいて、直径11.2mmもの大きさになる月が配された特大ムーンフェイズ。本物さながらの凹凸がつけられた金色の月は、手彫りで作られた型から複製されたもの。手作業ならではの温かみが滲み出ているのはそのためだ。

ブルーラッカーが塗られたギョーシェ装飾の星空が周囲を彩り、クリーム色のダイヤルとレッドゴールドのケースが見事な額縁の役割を果たす。ケース裏側に設定用のムーンフェイズをもう一つ備え、使い勝手も向上させている。K18レッドゴールドケース、42mm径、手巻き。306万円/アーノルド&サン ︎0570-03-1764

2_PIAGET
ピアジェ/アルティプラノ
遥か昔、遠い宇宙空間で生まれたメテオライトを身に着ける奇跡


格子状の幾何学的模様を生み出すメテオライト。専門用語でウィドマンシュテッテン構造と呼ばれるこの柄は、メテオライトの一種である鉄隕石を特徴づけるもの。ガルバニック処理で磨きあげた美しい輝きは腕時計のマニュファクチュールとしてだけでなく、ジュエラーとしても名高いピアジェの面目躍如だ。

この物質の生成については、太陽系の成立以前まで遡るともいわれる。遥か昔、宇宙空間のどこかで生まれた物質が地球で発見され、自分の腕元に収まっているという奇跡。途方もない時間と空間を直に感じる瞬間を堪能したい。世界限定300本。K18PGケース、40mm径、自動巻き。305万円/ピアジェ 0120-73-1874

3_CAMPANOLA
カンパノラ/コスモサイン AO4010-51E
漆黒の宇宙に無数の星を正確に配置した「腕元の星空」


あらゆる光が吸い込まれるような漆黒の宇宙空間を表現したブラックダイヤルに輝く無数の星。そこに正確にレイアウトされるのは、北緯35度で見られる4.8等星以上の恒星1027個、アンドロメダ銀河などに代表される星雲・星団など166個だ。

14回も重ねてプリントすることで、それを本物さながらに再現する。これが、刻一刻と腕元で動き、リアルタイムの星座を表示。いわゆる星座早見表の役割を果たす。何万光年もの遥か遠くに存在する眩い星を至近距離に感じる1本。これをロマンチックと言わずして何と言おうか。SSケース、44mm径、クオーツ。28万円/シチズン ︎0120-78-4807

 

HERMÈS
エルメス/アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ
柔軟な発想力で生み出したオリジナルの天体表現


エルメス/アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ 柔軟な発想力で生み出したオリジナルの天体表現 K18WGケース、43mm径、自動巻き。320万円/エルメスジャポン 03-3569-3300 ©️Joël Von Allmen


溢れる詩情と巧みな技術が、独創的に交錯して生まれた型破りなムーンフェイズ。12時位置には南半球から見える月(そこには天翔けるペガサスが! 見えるかな?)、6時位置には北半球から見える月を、メテオライトの文字盤に象嵌したマザー・オブ・パールで幻想的に表現されている。

その上の中空を、センター軸を中心に、時刻表示と日付表示という2つのスモールダイヤルが周回し、2つの月を見え隠れさせることで月齢を示すのだ。これを駆動するのは、特許申請中の自社製モジュール。メゾンのエレガンスを象徴する「アルソー」ケースと見事に調和して、まったく新しい天体表現の手法を世に送り出した。

 

GIRARD-PERREGAUX
ジラール・ペルゴ/ブリッジ・コスモス
複雑機構を駆使して、審美性を追求した腕元の小宇宙


ジラール・ペルゴ/ブリッジ・コスモス 複雑機構を駆使して、審美性を追求した腕元の小宇宙 11月発売予定。チタンケース、47mm径、手巻き。3802万円/ソーウインド ジャパン 03-5211-1791


トゥールビヨンで調速する機械仕掛けの小宇宙。ダイヤルには、タイムラプス撮影された星空のように、同心から弧を描く筋状の光線が蓄光性の液状セラミックス粒子で描かれ、時の流れを表現。

3時位置にGMTとデイ&ナイト表示を担う地球儀、9時位置に地球の自転と同じ23時間56分4秒で1回転する12星座が描かれた天球儀を配置。リュウズを排除してケースバックに調整ネジを設けることでより左右対称な審美性を極めたコンプリケーションだ。

 

※本文中における素材の略称は以下のとおり。SS=ステンレススチール、K18=18金、PG=ピンクゴールド、WG=ホワイトゴールド

星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock.Studio)=スタイリング(静物) 柴田 充、髙村将司、渋谷康人、水藤大輔、中村英俊=文

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