2019.02.11
WATCH

ひと目でわかる唯一無二の個性派 “カクのある男” の腕時計

円運動をする指針に対し、本来時計は丸形が違和感なく馴染むのだろう。それでもウォッチメーカーは角形の文字盤や、異形のケースで多彩な個性を競う。そこからは同調圧力も跳ね返し、常識や既成概念にとらわれない自由な感性が伝わってくる。

だがいずれもその個性は、確固としたデザインコンセプトや手のかかった製造プロセス、あるいは研ぎ澄まされた機能美などに裏付けられることで、強い意志が貫かれるのだ。


BVLGARI
ブルガリ/オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト

BVLGARI ブルガリ/オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト
SSケース、40mm幅、自動巻き。146万円/ブルガリ ジャパン 03-6362-0100、スーツ27万8000円/ベルヴェスト、パーカ2万9000円/ルトロワ(ともに八木通商 03-6809-2183)、カットソー6800円/アルモー リュックス(エリオポールメンズ銀座 03-3563-0455)

シャープな角は強い意志を、包み込む円は融和を

ブランドのアイコンとなったオクトは、複雑と単純、精密と感性といった対照性を円と角の融合で表現する。この個性を超薄型ケースがさらに際立たせ、独創のスタイルと技術が見事にエレガンスへと昇華したのだ。

2014年に登場した手巻きをベースにマイクロローターを搭載し、薄さを損なうことなく自動巻き化。薄さの追求はブレスレットも例外ではなく、そこにジュエラーとして培われた技術と審美性が見て取れる。大理石のような美麗な白を表現するため、SS表面にサンドブラスト仕上げを施す。


HAMILTON
ハミルトン/ベンチュラ

HAMILTON ハミルトン/ベンチュラ
SS(イエローゴールドPVD加工)ケース、縦50.3×横32.3mm、クオーツ。10万1000円/スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7371

電池式時計の先駆けとなった愛され続けるマスターピース

世界初の電池式腕時計として1957年に誕生した「ベンチュラ」は、革新性をアピールするため、当時の最先端デザインを纏った。担当したのはフューチャーデザインで一世を風靡したインダストリアルデザイナーのリチャード・アービブ。本作は初代の文字盤デザインを踏襲しつつ、愛用者のエルヴィス・プレスリーがカスタマイズしたことでも有名なフレックスベルトを合わせる。


CENTURY
センチュリー/プライムタイム エゴス クロノグラフ デイ&デイト

CENTURY センチュリー/プライムタイム エゴス クロノグラフ デイ&デイト
SS×サファイアクリスタルケース、42mm幅、自動巻き。75万円/センチュリー銀座店 03-6278-8975

独自性を放つサファイアクリスタルケース

スイス・ビエンヌに本拠を構える本格派、センチュリーはケース内を真空にした「バキュームウォッチ」など画期的な技術で知られる。特にサファイアクリスタルの成型技術に長け、このモデルのような12面ケースは、その独創性の象徴だ。オールブラックのスタイルに、ブランドのシンボルである8のインデックスをレッドであしらうという、大胆なデザインが目をひく。


CARTIER
カルティエ/タンク ソロ

CARTIER カルティエ/タンク ソロ
SSケース、縦40.85×横31mm、自動巻き。36万7500円/カルティエ 0120-301-757 Vincent Wulveryck © Cartier

スタイリッシュな力強さを感じさせる角形の名作

100年以上のロングセラーを誇る「タンク」は、今やブランドの枠を超えた時計史に燦然と輝く名作として名高い。先進的な考えを持っていた3代目ルイ・カルティエは、自動車や飛行機に代表される技術革新に興味を抱き、1917年に「タンク」を発案、その2年後に商品化した。

デザインのインスピレーションになったのが、まさに戦車であり、ケースの縦枠はキャタピラを想起させる。「ソロ」のデザインは、その原点を彷彿させるスタイリングで、力強さとともに男の腕元に似合う。


OMEGA
オメガ/シーマスター プロプロフ 1200M

OMEGA オメガ/シーマスター プロプロフ 1200M
SSケース、縦48×横55mm、自動巻き。95万円/オメガ 03-5952-4400

異形ケースは挑戦を続ける歴史であり、信頼の証し

1930年代に実用化したオメガの防水技術は、マリンスポーツの高まりや海洋探査などを経て、さらなる進化を遂げた。’70年に開発された「シーマスター 600」は、プロフェッショナルダイバーの造語である“プロプロフ”の愛称で親しまれ、深海での信頼性を象徴。これを現代に蘇らせ、防水性能は1200mを誇り、ケース2時位置には回転ベゼルのロックリリースボタンを備える。武骨なデザインは人類の海への挑戦の歴史を伝える。


RALPH LAUREN
ラルフローレン/867 35MM

RALPH LAUREN ラルフローレン/867 35MM
SSケース、縦35×横35mm、自動巻き。51万円/ラルフ ローレン 表参道 03-6438-5800

ドレッシーにもスポーティにも合うモダンアールデコ

モデル名の「867」は、ブランドのフラッグシップショップが位置するニューヨークのマディソン街の番地に由来する。文字盤には、アラビア数字とローマ数字を混合させたインデックスが美しくレイアウトされ、洗練された美的感性とモダンなアールデコ様式を感じさせる。35mmというエレガントなサイズにもかかわらず、ケース幅いっぱいに伸ばされたブレスレットは、スポーティな3連デザインを採用し、男らしい存在感に溢れる。


RADO
ラドー/ラドー トラディション 1965 XL オート

RADO ラドー/ラドー トラディション 1965 XL オート
世界限定1965本。SSケース、縦35×横35mm、自動巻き。21万円/ラドー(スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7330)

1960年代のモダンレトロデザインを現代に再現

ユニークな横長の角形ケースは1960年代のマンハッタンの摩天楼から着想を得たもの。’65年に誕生したアーカイブの意匠を蘇らせ、最新の技術でアップデートさせている。角形を基調にした針やインデックスに加え、6時位置に設けたカレンダーの小窓もデザインを統一し、一体感を演出。ブランドのシンボルであり、自動巻きの証しである9時位置の赤い錨マークは角度によって回転する。


※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール

星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング 柴田 充=文

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