OCEANS

SHARE

2019.01.03

時計

TUDORのGMTもこの仲間。国際化する時代にこそ、かの地とツナガル時計

GMT、ワールドタイマー、デュアルタイム……など、呼び方も仕様もさまざまあるが、要するにふたつ以上の時刻を一本で表示できる時計がある。世界を股に活躍する男にとっては当然、実用的。そのうえ、大切な誰かがいる、もしくは重要な何かがある、「かの地」ともツナガルことができる。

左●TUDOR チューダー
ブラックベイ GMT
視認性の高さとスタイリッシュさを両立する注目GMT

2018年後半の日本腕時計界の話題をさらったのが、ロレックスのファミリーブランド、チューダーのローンチであろう。ひし形の針“スノーフレーク”を備えたダイバーズ「ブラックベイ」にラインナップした新作が、このGMTモデルだ。
ダイヤルの外周ギリギリまで伸びる、同じく“スノーフレーク”のGMT針が、陽極酸化加工によりバーガンディ&ブルーでデイ&ナイトを表す24時間ベゼルを示す。フランスの飾り紐工房が作る強度の高いファブリックストラップは、見た目のスタイルアップにも貢献してくれる。SSケース、41mm径、自動巻き。35万円/日本ロレックス 03-3216-5671

中●MONTBLANC モンブラン
モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション1858
世界の時間を視覚的につかめる新感覚デザイン

地球儀の南北半球を模したデイ&ナイト表示付きの24時間計ドームを、それぞれ6時位置と12時位置に配置。視覚的に世界の時刻を大づかみできる新感覚デザインのワールドタイマー。
経年変化を楽しめるブロンズケースやベージュ夜光、4方位が刻まれたセラミックスベゼル、限定モデルに装着されるレザーカフなどに、ブランドが擁するヴィルレ工房の前身であるミネルバ社が支えた冒険家たちへのオマージュが滲む。そのミネルバ創立160周年記念モデルとなる。世界限定1858本。ブロンズケース、42mm径、自動巻き。71万円/モンブラン 0120-39-4810

右上●FRANCK MULLER フランク ミュラー
トノウ カーベックス マスターバンカー
3時刻を同時に読み取れる、銀行家のための時計

「世界の金融市場の時刻が瞬時にわかる時計が欲しい」という、友人の銀行家のひと言によってフランク・ミュラー御大が作ったブランドの看板モデルのひとつ。1つのムーブメントで3時刻を同時に表示できるのが特徴。また1本のリュウズで時刻調整ができる特許機構も画期的だ。
リュウズ1段目では、12時方向に回すと6時位置の時計の針が、6時方向に回すと12時位置の時計の針が進む。2段目では、中央のメイン時計を調整。世界への目配りが必要なビジネスパーソンには、この3タイムゾーン機構が重宝するはずだ。K18WGケース、縦45×横32mm、自動巻き。295万円/フランク ミュラー ウォッチランド東京 03-3549-1949

右下●IWC
パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・クロノグラフ
サマータイム表示も可能な独自の都市リングを装備

このワールドタイマーのハイライトは、サマータイムにも対応する特許取得の24都市リングを備えている点だ。サマータイム時は都市名の隣にある「S」マークにセットするだけでOK。原理としては1時間早めているだけだが、少しの工夫で抜群の使い勝手を獲得している。
回転式ベゼルを押し回して希望のタイムゾーンを選択する方式は、同社のダイバーズ「アクアタイマー」にも似た機構。定評ある自社製のフライバッククロノグラフキャリバーも搭載し、独自技術が詰まった一本に。SSケース、45mm径、自動巻き。137万5000円/IWC 0120-05-1868
 

CITIZEN シチズン
サテライト ウエーブ GPS F990
復刻デザインで魅せるGPSウォッチの進化形

世界限定1500本。スーパーチタニウムケース、48.5mm径、光発電エコ・ドライブ。34万円/シチズン 0120-78-4807
衛星電波時計を独自に進化させてきたシチズンの最新モデルは、光発電エコ・ドライブで駆動するキャリバーF990を搭載。39のタイムゾーンに対応するワールドタイム、ホームとローカルを素早く切り替え可能なデュアルタイム機構は特筆。初代モデルを踏襲した宇宙的なデザインにも心惹かれる。
 

LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン
エスカル オトマティック タイムゾーン
旅気分を盛り上げる彩りと技術力

SSケース、39mm径、自動巻き。88万5000円/ルイ・ヴィトン 0120-00-1854
創業以来、旅を彩るプロダクトメイキングを続けてきたメゾンによるワールドタイマーの、24都市表示のリングはとにかく鮮やか。トランクなどにパーソナライズを施す際に用いた幾何学モチーフを職人が手作業で転写。リュウズで調整する都市リングの内側の24時間計を、目的の都市に合わせるだけでセカンドタイムが読み取れる。
美しい彩色とユニークな構造は、どちらもメゾンが擁する時計製造アトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によるもの。独創性とともに技術力の高さも感じさせる。
 
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
SS=ステンレススチール、K18=18金、WG=ホワイトゴールド
星 武志(エストレジャス)=写真 柴田 充、髙村将司、中村英俊、戸叶庸之=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。