2018.12.25
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【前編】振り返った先に見えるものがある。歴史とツナガル時計

100年余りの腕時計史の中で数多のモデルが生まれては消えた。そうしたアーカイブを現代の高い技術で蘇らせる。それは、復刻の名においてまったくの新作を創造するのに等しい。歴史と“ツナガル”ようでいて、将来へ続く道しるべにもなっている。

左●JAEGER-LECOULTRE ジャガー・ルクルト
ジャガー・ルクルト ポラリス・デイト
名作にオマージュを捧げた実用スポーツウォッチ

ジャガー・ルクルトを象徴するアーカイブのひとつに、メモボックスと呼ばれるアラーム機能付き時計がある。それをダイバーズウォッチに応用させたのが、1968年製の「メモボックス・ポラリス」だ。

誕生50周年となる今年、オマージュを捧げるべくして新たなスポーツウォッチの「JLCポラリス」コレクションが登場。本作はアラームなしのシンプルな3針デイト。ダイバーズ特有の視認性の高さや200m防水性を備え、日常使いに長けた実用派だ。SSケース、42mm径、自動巻き。84万円/ジャガー・ルクルト 0120-79-1833

右●PANERAI パネライ
ルミノール カリフォルニア エイトデイズ DLC-44mm
伝説的なエピソードに付随する武骨なビジュアルも人気

上半分がローマ数字、下半分がアラビア数字のインデックスからなる通称“カリフォルニアダイヤル”。1936年のプロトタイプの仕様といわれているが、’66年の洪水被害により、創業時の資料やアーカイブも散逸。一説にカリフォルニアで発見されたとされることから、この名で呼ばれている。

ブランド再生後、何度か復刻されているこのダイヤルが、DLC加工の黒を纏ったルミノールの8日巻きとして登場。付属のレザーカフも武骨さを増幅する。チタンケース、44mm幅、手巻き。90万円/オフィチーネ パネライ 0120-18-7110


CARTIER カルティエ
タンク サントレ
手首に沿ってカーブする、縦長の歴史的モデル

K18YGケース、縦46.3×横23mm、手巻き。222万円/カルティエ 0120-301-757 © Cartier

2017年に100周年を迎えた名作「タンク」。そのバリエーションとして1980年代に生まれた「タンク アメリカン」のベースとされるのが、’21年に登場した「タンク サントレ」だ。手首に沿うようにカーブをつけた(=cintrée)ケース形状は、その名前の由来ともなっている。

今年登場したモデルのインデックスには、黎明期にしばしば見られたアラビア数字を12時と6時に採用し、ほかはバー仕様に。線路型分目盛りやリュウズのカボションにタンクらしさは残しつつ、当時の趣も醸している。


BREITLING ブライトリング
プレミエ B01 クロノグラフ 42
過去に範を取りつつ、未来を見据えた新コレクション

SSケース、42mm径、自動巻き。92万円/ブライトリング・ジャパン 03-3436-0011

新CEOの下で進化を遂げるブライトリングの最新コレクション「プレミエ」。1940年代の回転計算尺を持たないクロノグラフに範を取り、エレガントなスタイルに溶け込むすっきり顔にデザイン。自社製のキャリバー01を積む旗艦モデルに用意されたシルバーダイヤルの本作は、サブダイヤルとタキメーターを黒にして視認性を高めており、「プロの計器」としての立ち位置は堅持する。


TIFFANY & CO. ティファニー
ティファニー スクエア
ティファニーの時計作りの伝統を滲ませる小ぶりの角型

SSケース、縦35.8×横27mm、手巻き。57万円/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク 0120-488-712

ティファニーのウォッチメイキングの歴史を感じさせるのは、こんなアーカイブの復刻にある。1920年代に製造していた27mmの角型モデルに着想を得て、創立180年の2017年に登場したのが「ティファニー スクエア」のゴールドモデル。’18年新作となる同スペックのSSモデルもまた、クラシックなスクエア型で、フォーマルな場にも通用するエレガンスを湛える。


※本文中における素材の略称は以下のとおり。
SS=ステンレススチール、K18=18金、YG=イエローゴールド

星 武志(エストレジャス)=写真(静物) 柴田 充、髙村将司、中村英俊、戸叶庸之=文

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