視認性と操作性の発展に大きく貢献したのが、パイロットのための計器であった航空時計の存在。大空を飛び回ってきた出自や背景を腕元で堪能しながら、その使い勝手に人知れず酔うのが、「空時計」との正しい“ツナガリ方”かもしれない?
BELL & ROSS ベル&ロス
BR V2-94 レーシングバード
オレンジ&ブルーを利かせた爽やかなスタイリング
ベル&ロスのデザインスタジオから生まれた優美な飛行機、「BRバード」がインスピレーションソース。ホワイトダイヤルにブルーとオレンジの挿し色が利いており、ありそうでなかった爽快なパイロットウォッチに仕上がっている。クラシカルな横目の2カウンタークロノグラフを搭載する。
HAMILTON ハミルトン
カーキ パイロット デイデイト オート
航空時代の幕開けを告げた古き佳き時代へのオマージュ
1918年、米国初の定期航空便の公式時計を担った実績のあるハミルトンの最新作。視認性の高い文字盤や12時位置のデイ表示は、20世紀初頭のアナログ式操縦計器を彷彿させ、まるで往時の空気感を閉じ込めたようなヴィンテージデザインである。
BREITLING ブライトリング
ナビタイマー スーパー 8 B20 オートマチック 46
歴史の重みを感じる実用に特化したディテール
本作のモチーフになっているのは、1930〜’40年代に爆撃機パイロットが太腿に巻いて使用していたというストップウォッチ。簡潔なダイヤルデザイン、操作性の高い両方向回転ベゼル、大ぶりなリュウズなど、実用性を追求した本格的な仕様に男心がくすぐられる。
LONGINES ロンジン
リンドバーグ アワーアングル ウォッチ
ロンジンならではの伝統を感じさせる1本
1927年に大西洋単独無着陸飛行を成功させたチャールズ・リンドバーグが使用したモデルの復刻版で、経度計測のためのアワーアングル機能を搭載する。グローブ装着時の操作感を考慮したタマネギ型リュウズなど、そのディテールに往年の名機の遺伝子が刻まれている。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
SS=ステンレススチール
柴田 充、髙村将司、中村英俊、戸叶庸之=文