唐突だが、まずはコチラを見てほしい。
なんの変哲もないシンプルなリング……ではない。
キャッシュレス決済やロック解除などができる、リング型のデジタルデバイスなのだ。
コロナ禍での接触を避けるため、日本でもキャッシュレス化が進んでいる。財布から現金を取り出すよりスムーズに買い物できるのだが、「あれ、スマホどこに入れたっけ」「クレジットカードが見つからない」など、レジ前であたふたすることも多い。
そんななか、キャッシュレス先進国のイギリスで誕生したのがこのスマートリング。今、世界で注目を集める最小で最先端のツールがいよいよ日本で発売される。
使い方は指に装着して、買い物時にリングをさっとかざすだけ。事前にクレジットカードをスマホの専用アプリに登録してチャージしておけば、アプリを経由してリングでのタッチ決済が可能だ。タッチ決済が導入されたVISA加盟店なら、どこでも利用できる。
しかもこれ、リングが自ら発電するため、充電が不要なのだ。独自の技術により、電波を使って内蔵コイルが発電するのだという。いちいち充電残量を確認しながら使う煩わしさから解放されるのは、かなり画期的といえる。
素材には義歯にも使われているジルコニアセラミックを採用。金属アレルギーがある人でも装着できるよう工夫を凝らした。さらには防水機能まで付いており、リングをつけたまま手を洗ったり、シャワーを浴びてもいい。
着けっぱなしでいいから楽ちんなうえ、洗えるので衛生面でも安心だ。
発売時に使えるのは、キャッシュレス決済とスマートロック機能のみだが、今後ICカード利用やヘルスデバイス機能も導入予定。電車に乗るときやスポーツするときなど、利用シーンはますます広がっていくに違いない。
リングを着ける習慣のない人は、キーホルダーやバッグに着けても良さそうだ。
発売は春以降を予定。なんでもできる時計(=スマートウォッチ)の登場も衝撃だったが、その余韻も冷めやらぬうちに、なんでもできる指輪の登場とは恐れ入る。決済から健康状態まで、リングひとつで管理する未来も、そう遠くないかもしれない。
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