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2021.04.30

ライフ

ビジネス書ばかり薦めてくる上司は20代から軽く見られる


 「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは……

「成長できるかどうか」は若手の重要関心ごと

さまざまな調査をみていると「成長できるかどうか」が、近年の若手人材が会社や仕事を選ぶうえで最も重要視するポイントのようです。
そういうこともあって、会社は採用の際に「自社はこういう仕事機会があり、こういう能力が身につく」とアピールします。
また最近では、入社後でも若手人材が望むキャリアを歩めるようにサポートすることが、上司や先輩社員の職務の一部とされることが多くなってきました。
現在では、全世界的な企業間競争が起こっており、社員の能力開発においても競争が激しいことを考えると、「成長」を個人側も会社側も重視しているというのは良いことでしょう。

人はいかにして成長するか

さて、それでは、人はどのようにして成長、すなわち自己の能力を向上させるのでしょうか。
ある人事コンサルティング会社の調査によれば、人は「仕事7割、上司からの薫陶2割、研修1割」から学ぶとされています。
要は最も成長に影響するのは「どんな仕事をするのか」ということです。
そう考えれば、上司にとって「若手人材が最も成長するにはどんな仕事にアサインすればよいのか」を考えることが、部下の成長をサポートするために最も重要なこととなります。
ところが多くの場合、仕事のアサインの第一は“事業をうまく推進すること”で行われるため、かなり意識しなくては個人の成長を促すアサインはできません。

「できない仕事」をやらせてみないといけない

なぜならば、事業をうまく推進するためのアサインとは、「その業務が最もできる人をアサインする」、すなわち「適材適所」だからです。
しかし、「適材適所」とは人を既にできる仕事につけることですから、逆に言うと学びは少ない。
本当は、「その業務から最も学べる人をアサインする」、言い換えれば「まだ、その仕事が十分にはできなくてもアサインする」ようにしなければ、仕事からの成長は最大化しないわけです。
そのためにはアサインする上司の側にも一定の覚悟が必要です。彼・彼女は手取り足取り指導しないとその仕事ができないかもしれませんし、失敗すれば尻拭いをしなければいけません。

仕事経験を振り返り、「学び」を得る支援を行う

仕事のアサインの次に、成長に寄与する要因は「上司からの薫陶」でした。
私なりには「実際の仕事において、試行錯誤して得たさまざまな経験を振り返り、そこからの何らかの『学び』を見出すためのサポート」ではないかと考えます。
なぜなら、仕事経験は大切ですが、経験さえすれば勝手に学べるわけではないからです。経験から得たものを別の仕事でも使えるようにするためには、「学び」=「法則」、「教訓」などに変換しなくてはいけません。
しかし、実行するだけで手一杯な若手には、それを振り返って「ここから何が学べただろう」と内省する余裕はなかなかありません。それをサポートするのがこれまた上司だと思うのです。


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