「コロナ禍渡航記」とは……ゴーストタウンのような
羽田空港を出発し、到着したイギリス・ヒースロー空港は「ここはどこ?」と思うような別世界だった。
コロナ前と変わらない混雑ぶり。
ショップもレストランも全部開いているし、唯一違うところといえば、座席が間引かれていることと、みんながマスクをしていることぐらい。
コロナなどなかったような日常ぶりに、カルチャーショックを覚える。
だが、ことはそんなに単純ではなかった。
羽田空港であれだけ苦労して作成したイギリスへの渡航申請書はチェックされることがないままジュネーブ行きの搭乗口へ。こちらも人でいっぱいだ。
「結局、渡航申請書必要なかったね〜」なんて笑いながら、同行者とのんびりゲートオープンを待っていたのだが、そんなに甘くはなかった。ゲートで何度航空チケットをかざしても、通れないのだ。
「イギリスへの渡航申請は出しているのか?」「陰性証明書を見せて」と次々と書類を要求される。夜遅くジュネーブに到着するこの便を逃したら、明日まで移動できないのは確実。近づく離陸時間。どこかに電話をかけるゲートスタッフ。顔を見合わす私たち……。
結局、最後の最後にOKが出て、無事に搭乗! これでもう安心!と思ったのも束の間。先はまだまだ長かった。
ヒースロー空港同様、この先も至る所で、
陰性証明書やワクチンパスポートなる“証明書”の提示を求められることになるのだった。
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