コロナ禍渡航記●コロナ禍における海外出張を体験したライター林田のリアルレポ。事前情報は乏しく、予想外のアクシデントにも見舞われた手探り出張の様子を余すことなくお伝えする。
長引くコロナ禍に、海外に行けるのは何年先か……と思っていた。そんなときに降って湧いた急な海外出張。
「これは行かない手はない」。そう思ったものの、その道のりは長く険しいものだった……。
そこで、これから海外に行く人のために、そのハードすぎる情報をお届けする。※ただしすべて8月30日時点。各国の状況は刻々と変わるので、最新情報は必ず自分でチェックを!
今回の出張先はフランス・シャモニーだ。
行程は、
羽田空港→ヒースロー空港(イギリス)で乗り継ぎ→ジュネーブ空港(スイス)→陸路シャモニー(フランス)。
旅程で重視したのは2つ。
①何かあったときのために航空会社は安心のJAL
②帰国してから公共交通機関を使えないため羽田便のちのちこの2つの選択が間違っていなかったことを痛感した。
では早速、コロナ禍渡航は度胸だけでは切り抜けられない理由をお伝えしよう。
理由① 72時間以内有効の陰性証明書の壁
さて、旅の目的地はフランス。入国条件を調べると日本は最も規制の緩い「グリーン国」対象だ。
ワクチンパスポートか72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書があれば、隔離期間なしで入国することができる。
……いや、待て。ヨーロッパへの入国はスイスからだ。
スイスも調べてみたところ、フランスと条件は同じ。ただし事前に入国フォームへの申請が必要なようだ。
スイスへの申請が終わると、上記のような証明書がメールで届いた。
よし、次はPCR検査の予約。と言ってもどこでもいいわけではない。海外渡航用の陰性証明書を書いてもらわないといけないのだ。
調べてみて、驚いた。
PCR検査だけで2〜3万、海外渡航用の陰性証明書の発行に5000円近くかかる。今や4000円でPCR検査を受けられるところだってあるのに、高すぎないか?
数時間色々と検索して、なんとか1万円台を発見!
ところが……である。
現地で動くことを考えると、なるべく出発ギリギリに受けたいと思っていたのに、
そもそも72時間前をクリアする日程の予約が空いてない(泣)。
検査に2〜3万円かかるクリニックなら余裕で予約が取れるので、これは安いところに申し込みが集中していると見た。
結局、選んだのは、「タンタンタンタン」のCMでお馴染み「にしたんクリニック」。
値段もそこそこ安いうえに、予約の電話のオペレーターさんが現地到着時間から72時間前を逆算してくれたりと本当に親切だったのだ。
だが、この申し込みの電話で驚愕の事実が判明。
「乗り継ぎの際については把握していないのですが、イギリスの場合は唾液検査でイギリス専用の用紙が必要です。スイスとフランスは用紙は同じですが、
スイスは唾液、フランスは鼻咽頭検査になります」。
ちょ、ちょっと待って。
2種類のPCR検査を受けて、3種類の陰性証明書が必要ってこと?
一体それいくらかかるんだ……。
「ただし情報が古いかもしれませんし、乗り継ぎの場合はわからないので、各大使館に問い合わせてみてもらえますか?」
は……はい。
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