OCEANS × Forbes JAPAN Vol.71
2021.08.13
LIFE STYLE

スノーピークの未来構想。野遊びの提供で「人間性の回復」を目指す

当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら

スノーピークの山井梨沙代表(Snow Peak LIFE EXPO 2021)

新潟県三条市で創業したアウトドアメーカーのスノーピーク(Snow Peak)は、温浴施設を中心とした複合型リゾート「FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS(フィールド スイート スパ ヘッドクォーターズ)」を2022年春に開業する。

建築面積は約2007平方メートル。日本三百名山の1つである粟ケ岳の眺望を楽しめる開放的な露天風呂や、焚き火を囲むような感覚で楽しめるサウナを中心に、宿泊施設やレストラン、ショップなども併設する予定だ。開業10周年を機に「Headquarters(ヘッドクォーターズ)」と呼ぶ新潟本社の敷地を約5万坪から約15万坪へと拡張し、現在のキャンプフィールドの隣に建設を進めている。

同施設の開業は、7月7日から9日まで新潟本社で行われた大規模な展示会「Snow Peak LIFE EXPO 2021」で発表された「Snow Peak 未来構想プロジェクト」の第一弾。

新潟本社の敷地を、キャンパーだけでなく、あらゆる人が楽しめる空間へと進化させようとするプロジェクトの一環だ。今後スノーピークは、キャンプフィールドだけにとどまらず、衣・食・住に、働く・遊ぶを加えたすべてのシーンを体験できる「ライフバリューフィールド」の実現を目指していくという。

自然との一体感を得られる場所

同施設の設計を担当したのは、世界的建築家である隈研吾氏だ。

山井梨沙代表、山井太会長とのトークセッションに参加した隈氏は、「世界から注目されるような画期的なスパをつくろうと思った」と新施設への思いを語った。

左からスノーピークの山井太会長、山井梨沙代表、隈研吾氏

スパの面積は約400平方メートル、最大収容人数は240名。地上1階と地下1階の2層構造になっており、自然や森をふんだんに感じられる設計。

どこからでも美しい粟ケ岳や山並みの姿が望めるよう、大きな窓のリラックスルームなどももうける。

メイン棟:外観(イメージ)

インテリアのコンセプトは「The Heart of Camping」。奈良から取り寄せた2万本の薪を使った「薪屋根」は、大きな特徴の1つだ。また、ものづくりの町・燕三条の職人が手がけたメタルウォール、現地の土を使った左官壁など、ローカル資材を使用することにもこだわったという。

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粟ケ岳を眺めながら入れる大開口のビューバスや、焚き火を囲むように円形に座るサウナも完備。大きな水風呂と外気浴のための広いテラスが一体になったつくりで、森とのつながりを楽しめそうだ。

焚き火を囲む感覚を彷彿とさせるサウナ(イメージ)

オープンキッチンや全面ガラス張りが特徴的なレストランでは、ライブ感を満喫しながら食事ができる。座席は65席。監修するのは、『ミシュランガイド東京』で三ツ星に選ばれた「神楽坂石かわ」の石川秀樹氏だ。

生産者と深くつながり、地元の食材を活かした料理を提供することで、食を通じた地域の魅力を発信する役割も果たすという。

宿泊施設としては、ヴィラ棟(2タイプ、3棟)と、隈氏とスノーピークが共同開発したモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」も併設予定だ。

自然との一体感を感じられるヴィラ(イメージ)

隈氏は次のように施設の説明を締めくくった。

「コロナ禍は建築・設計にとっても折り返し地点といえる出来事であり、これまでは都市に向けた建築がデザインされてきたが、それが反転して自然へと向き始めたと感じる。まさに新しい時代への絶好のタイミングで、この新施設を世の中に届けることができると思う。FIELD SUITE SPA HEADQUARTERSは、新しいコンセプトを体現した施設になるだろう」

自然と人をつなぎ、人間性を回復する

スノーピークは、1958年の創業以来、「自然と人、人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命とし、キャンプ用品はもちろん、アパレル開発や地方創生、ビジネスコンサルティングなどの事業を拡大してきた。

2011年に現在の場所に本社を移してから10年。今回発表した未来構想プロジェクトについて、同イベントに登壇した山井代表は、次のようなメッセージを発信した。

「キャンプは、単なるレジャーにとどまらない『人間が人間らしく生活するための営み』。私たちは、自然のなかでは年齢や肩書きに縛られないただの人間に戻ることができ、仲間や家族と本質的な信頼関係を築くことができると考えている。

コロナ禍でキャンプの人気が高まったと言われているが、国内のキャンプ人口は未だわずか7%にすぎない。テクノロジーや技術の進歩につれて、自然との関わりは薄れてしまっているようにも感じる。

これからもスノーピークは、『野遊び』の提供を通じて、人間性の回復を目指していきたいと考えている。これまで培ってきた『野』の価値を中心に、ライフバリューブランドとして衣食住に『働く』と『遊ぶ』を加えたシーンに、新しい提案を続けていく」

 

コヤナギユウ(人物)= 写真

記事提供=Forbes JAPAN

# キャンプ# スノーピーク# フォーブス# 自然
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