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2021.04.03

ライフ

4人のサーファーが始めた兼業農家「ザ ・ファーマーズ」の約1年と目指す将来

千葉県一宮町を拠点とするサーファーたちが手を組んで農業を始めた。
彼らの名はザ ・ファーマーズ。
趣味ではなく、広大な農地を借りて農作物を販売する兼業農家として日々奮闘している。
なぜ彼らは農業を始めたのか?その魅力を伺った。
 

地球環境に配慮する最大の自己表現を見つけた男たち

海と大地、そして地域との共生を目指す「ザ ・ファーマーズ」の兼業農家スタイル
ザ・ファーマーズのメンバー[左]サーフボード工場運営 森山鉄兵(49歳)、[中]蕎麦屋 櫟原貴司(46歳)、[右]サーフボード工場運営 大西兼司(48歳)。
発起人の森山鉄兵さんはサーフボード工場を切り盛りしながら生活すべてをサーフィンに捧げるなか、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに「農」を生業のひとつに加えようと決心した。
「毎年冬になるとオーストラリアに出張して、バイロンベイにあるローカルブランドのサーフボード工場で3カ月ほど働いているんです。でも去年はコロナ禍の影響で帰国が早まった。
帰ってきたものの、冬場だったので日本のサーフボード工場は仕事が少ない。そこで何かできることをやろうと思って、一緒に工場を回している大西兼司くんに『俺は工場をしばらく休んで、農業をやってみるよ』と話したんです」。
20代の頃から、いずれ農業をやろうと思っていた森山さん。いざ始めようと近所の農園を見学しに行くと、実際の作業に衝撃を受けた。想像以上に農薬を使っていたのだ。
森山さんは農薬が地球に不自然な影響を与えてしまう話をバイロンベイで聞いていた。最終的には自分たちのカラダと海にシワ寄せが来るのだと。

「俺にはそれをやるのは無理だと思った。そしてある日、今日はいないもうひとりのメンバーに『自分なりに農業をやってみようと思う』と話したら『一緒にやりましょうよ!』と言ってくれたんです。
そうしたら大西くんも参加することになって、しばらくして草刈りした草をトラックに積んでいたところに来た(櫟原貴司さんの愛称)イチくんが『俺もやりたい』と言い出して」。
こうしてサーフィン仲間だった4人によってザ ・ファーマーズが結成された。2020年5月のことだ。


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