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2021.02.19

ライフ

藤井隆行が「ギャラリー サイン」代表と語る、広くて深いインテリアの歴史

家族との住まいを構え、心地いい暮らしについて考える年齢になったオーシャンズ世代。ここでは、その重要なファクターのひとつであるインテリアの話をしよう。
連載「私的傑作批評」でも独自の審美眼を披露しているノンネイティブ・デザイナーの藤井隆行氏が、友人でもあるギャラリー サイン・代表の溝口至亮氏を招き、これからのモノ選びについて対談する「ぼくらがモノを買う理由」。
まずは最先端のインテリアが並ぶ部屋から、モノの在り方と可能性を紐といていく。
 

広くて深いインテリアの世界、まずは背景を知ることから

藤井隆行が「ギャラリー サイン」代表と語る、広くて深いインテリアの歴史
今回、インテリアのグッドサンプルとして撮影現場に選んだのは、まるでNYのような空気感を持つアパレルブランドの代表K氏の自宅。1990年代後半から始まったイームズブームが飽和状態になり、代わって評価の上がっていたジャン・プルーヴェ、シャルロット・ペリアン、ピエール・ジャンヌレの作品を合わせることで、それぞれに主張の強いインテリアがひとつの空間に自由に共存する。
ギャラリー サイン
溝口至亮さん Age  43
ピエール・ジャンヌレやジャン・プルーヴェなど、フランスのデザイナーをはじめ、柳宗理や丹下健三など20世紀を代表する建築家のオリジナル作品を扱う「ギャラリー サイン」を運営。インテリアの歴史や背景に造詣が深く、専門雑誌に多く寄稿する。
ノンネイティブ ・デザイナー
藤井隆行さん Age 44
「洋服とは、人生を投影するための道具である」をコンセプトに、実用性に特化したニューベーシックを発信。厳選した素材と機能で現代に寄り添ったデザインは業界内にもファンが多い。元来のインテリア好きが、溝口さんの存在でさらに開花。
ーー藤井さんが“インテリアの師”と仰ぐ溝口さんに、今日はオーシャンズ世代のインテリアについて、そしておふたりが考えるこれからのモノの買い方について語っていただきます。まずは溝口さんと藤井さんの関係について教えてください。
藤井 溝口さんは僕のインテリアの先生なんです。歴史、在り方、扱い方など、いろいろ教えてもらいました。インテリアを“家具”ではなく、“作品”と呼ぶとかね。モノに対してまずリスペクトありきの姿勢にもハッとさせられました。
溝口 藤井さんと知り合うまで僕の周りは年上の方がほとんどだったので、同年代の友人ができてうれしかったですよ。共通の知り合いもいたので、自然と仲良くなった感じですね。
インドのチャンディーガルにある大学で使われていたピエール・ジャンヌレのハイスツールを、キッチンへと続く誰も見ない廊下にさりげなく配置。「ストリート感が漂うシュプリームのステップスツールとヴィンテージのミックス感が面白い。家主のオリジナリティを感じる空間」。(溝口さん)


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