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2021.01.04

ライフ

「小杉湯」3代目当主・平松佑介。「継がなきゃ」が「継ぎたい」になるまでの36年


「37.5歳の人生スナップ」とは…… 
東京・高円寺。JRの駅から北へ向かって商店街を抜け、住宅街に入ってすぐ、唐破風屋根をいだくどっしりとした建物が立ち現れる。
1933年創業の老舗銭湯・小杉湯。近隣の住民はもちろん、全国から銭湯愛好家が訪れる、近年の銭湯ブームの立役者のひとつだ。
写真提供:平松佑介
多い日には1000人近くの客を数える、老若男女の憩いの場。その小杉湯が、いま高円寺の街づくりの拠点としてにわかに注目を浴びている。銭湯を通じて出会った小杉湯ファンたちが主体となり、事業として小杉湯の外に地域コミュニティをつくりはじめたのだ。
小杉湯に集う人びとの笑顔の中心にいるのが、3代目当主の平松佑介さん。
若き敏腕経営者、銭湯再興の仕掛け人、地域プロデューサーなどなど、平松さんを表す肩書はたくさんあるが、本人はどれも気に入らないだろう。彼は自分の仕事を「湯守(ゆもり)」と呼ぶ。


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