美容&健康にコミット!「24時間ウェルネス宣言」特集 Vol.25
2020.12.06
LIFE STYLE

ルーフトップテントも話題の「THULE」CEOが大切にする “アクティブに楽しむ人生”

アクティブスポーツのための多彩なキャリア製品を揃える「スーリー(THULE)」。近年ではベビーカーや街用バックパックなど、新たな領域に進出している。

ブランドを10年牽引したCEOに、チャレンジを重ねる理由を聞いた。

「スーリー」CEO マグナス・ウェランダー 氏

CEO マグナス・ウェランダー 氏
1966年、スウェーデン・ヘルシンボリ生まれ。大学で産業工学を修めたのち、スウェーデンの大手食品包装会社「テトラパック」に入社。貨物運送コンテナ製造会社のCEOを経て、スーリーグループの欧州責任者に就任。2010年より現職。趣味はスキーやマウンテンバイクなどスポーツ全般。家族は妻と大学生の娘2人。

Brand Profile
1942年、スウェーデン南部のヒラーストープにて、エリック・トゥーリンにより創業。スキーや自転車、サーフボードなどを車に積むための、さまざまなキャリアを製造する世界的ブランドだ。近年はラゲージ類、ベビーカー、登山用バックパックなど多彩な製品をラインナップ。創業地のヒラーストープには現在、工場やテストセンターがある。

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カーキャリア製造のルーツは漁業用フックにあった?

アクティブスポーツを楽しむ人たちがこぞって愛用するキャリアブランドがある。それがスウェーデン発のスーリーだ。キャリアとは、主に車のルーフ上のベースキャリアに装着する、アタッチメントのこと。スキーを、自転車を、サーフボードを安全に持ち運ぶためのプロダクトである。

「1950〜’60年代、スウェーデンの経済は大きく成長しました。多くの人が車を手に入れ、週末は郊外でアクティブに過ごすようになったんです。そこに目をつけたのが当時の2代目CEO、ウィリス・トゥーリン。最初に開発したのは、車のルーフに簡単に装着できるスキーラックでした」。

近年人気が高まっているというベビーカー。こちらの「アーバングライド2」は小回りの利く回転式フロントホイールと、走破性に優れた16インチのリアホイールを装備。片手でも操作しやすいのだ。H102×W69×D104.5cm[使用時] 11万5000円/スーリー(ゼット 0120-276-010)

現在のCEOであるマグナス・ウェランダー氏が、ブランドのルーツについて教えてくれた。

「最初の20年間はキャリアではなく、金属製品を作っていました。パイク(※1)を釣るための漁業用フックをはじめ、ベルトのバックル、燭台なども作っていたんですよ」。

そうしたモノ作りのノウハウが、のちのキャリア製造に役立ったのである。ちなみにブランド名の発音は現地スウェーデンでは「トゥーレ」に近い。そう、創業一族のトゥーリン家に由来しているのだ。

「スキーラックを開発した2代目のウィリスに、創業者である父親のエリックについて聞いたことがあります。エリックはスウェーデン南部の小さな農村で、12人の兄弟とともに育ちました。やがて第一次世界大戦後の経済困窮のなか、豊かな生活を求めてアメリカに渡ります。そして11年後にスウェーデンに戻り、スーリーを創業。強く、自制心のある、働き者の父親だったそうです」。

どんな世界的なブランドも、元をたどればモノ作りの小さな現場に行き着く。現在では実に140カ国で製品を展開するスーリーもまた、例外ではなかったのである。

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持ち運びをテーマにした新領域へのチャレンジ

’62年に画期的なスキーラックを発売したスーリーは、以降、イノベーティブな製品を次々と開発する。スキー板を安全、確実に収納するスキーボックス。車のルーフではなくリアに取り付けるトウバーマウント型バイクキャリア。

そして2010年、スーリーは初めてキャリア以外の製品を発表する。それは車ではなく人が運ぶラゲージ──トロリーケースやバックパック──であった。それはウェランダー氏がCEOに就任した年に重なっている。

バッグメーカーとしてのスーリーを一躍有名にしたのが、これらのPC用バックパックではないだろうか。収納力、機能性、耐久性に優れるうえ、非常に多くのバリエーションを揃えているのが特筆すべき点。自分に合う相棒が必ず見つかるはずだ。左から「コンストラクト 28L」 H49×W32×D27cm 1万9000円「パラマウント 27L」 H50×W33×D27cm 2万3000円、「アクセント 28L」 H51×W31×D26cm 1万7000円、/すべてスーリー(ゼット 0120-276-010)

「今までにないジャンルに投資したい、と会社に提案しました。確かに挑戦でしたが、私は必ず成功すると確信していたんです」。

この考え方は、同時期に決めたブランドの新たなキャッチコピー「ブリング・ユア・ライフ」に集約される。直訳すれば「暮らしを持ち運ぼう」。キャリア製造の哲学に共通するプロダクトさえ見いだせば、新領域の光はおのずと差し込む。ではいったい、どのようにして意識改革を図ったのだろうか。

「重要なのは何を変えたかではなく“何を変えなかったか”だと思います。70年にわたる素晴らしい歴史と、高い製品開発能力。そしてその製品を世界中で売るというビジネスマインド。変える必要のない、強固なブランドのバックボーンは既に確立していたのです」。

トウバーマウント型キャリア「イージーフォールド XT」。コンパクトに折り畳めるにもかかわらず、大型マウンテンバイクや電動サイクルの搬送にも対応する。バイク好きにぜひおすすめしたい優れものだ。写真は2台用。3台用(16万円)もラインナップされている。車には別途トウバーが必要となる。H68×W123×D63cm[使用時] 14万円/スーリー(阿部商会 0800-100-4182)

そのうえで3つの方針を打ち出した。ひとつは先述した新領域への進出。次に洗練されたデザインの追求。そして消費者第一の精神の強化、である。ただし、とウェランダー氏は付け加える。

「製造業でいちばん大事なのは、高品質で安全なものを作ること。耐久・耐天候など25項目のテストと、製品別の専用テストを行います。例えばサイクルキャリアなら車に積載して衝突するなど、さまざまな状況を想定。自動車メーカーと共同開発した振動装置で、製品寿命テストも実施しています」。

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たとえ自宅近くでも、アクティブライフは楽しめる

本国スウェーデンで2018年に登場し話題を呼んだルーフトップテントが、満を持して日本に上陸。紫外線やカビへの耐久性に優れた高品質なシェル素材を採用し、底面には6.5cm厚の高密度マットレスが付属する。四方がメッシュパネルとなっており、十分な通気性と換気を実現。大人2名が快適に過ごせるサイズのこのテントで、新たなアウトドア・ファンライフを過ごしていただきたい。「テプイ エクスプローラー エアー 2」 H99×W122×D213cm[使用時] 29万円/スーリー(阿部商会 0800-100-4182)

’20年夏、日本初上陸となったスーリーの新製品がある。それが右ページ上のルーフトップテント。デビュー時に紹介した記事も大きな反響を呼んだ。

「他社のルーフトップテントを積んだお客様から多くの質問が寄せられていたのです。“テントは作っていないのか?”と。このカテゴリーはグローバルに成長しているうえ、ブランドの性格にもハマると直感しました」。

確かに近年日本でも、ルーフトップテントを積みサーフィンやスキーを楽しむ人たちがますます増えてきたと実感する。家族単位で、オープンエアで遊べるルーフトップテントは、コロナ禍でレジャーを楽しむための優秀なギアという側面もあるのかもしれない。

「’20年の3月中旬から5月にかけて、売り上げは大幅に減少しました。でも一方で6月から9月にかけては、’19年を上回る売り上げを達成。これはきっと、アクティブに過ごしたいという消費者のマインドが高まったからだと思います」。

来る’21年にはさらに多くの製品をリリース予定。新型のルーフトップサイクルキャリア、カメラ用バックパックなどなど、である。

「まだまだありますが、そのほかは内緒です(笑)。世界的なコロナ禍のなか、やはり長距離移動への不安は拭いきれません。ニセコのパウダースノーを楽しんだり、ノースショアへ最高の波を求めに行くことは、今は難しい。でも、マウンテンバイクを積み街外れまでドライブして、親しい仲間と過ごす……それもまた、豊かなアウトドアライフのひとつです。どんなときでも、アクティブに人生を楽しむことが大切なんです」。

 

※1 パイク
カワカマス科の肉食淡水魚で、北半球に広く生息。ヨーロッパでは食用として、またゲームフィッシュとしても古くから親しまれている。

鈴木泰之=写真 加瀬友重=編集・文

# スーリー# ベビーカー# ルーフトップテント
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