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2020.12.06

ライフ

マシンガンズ・滝沢秀一が、“ごみ清掃員”になって気づいた大切な事


「37.5歳の人生スナップ」とは…… 
>前編はこちら
テレビのお笑いブームに乗って、芸人として順風満帆の日々を送っていたマシンガンズの滝沢秀一さん。
しかし、ブームの終焉とともに仕事は激減。そのタイミングで妻の妊娠が発覚し、知人に紹介してもらったバイトを始めることに……と、滝沢さんが“ごみ清掃員”になるまでの経緯を振り返った前編
今回は、滝沢さんが“ごみ研究家”になっていく姿を追う。
 

身体疲労とメンタル不調の悪循環

ごみ清掃員は決して楽な仕事ではない。早朝に出社し、ルートを確認したら、ひたすら収集所を回って走ったり歩いたりしながらごみを回収する。休憩や昼食を挟み、夕方まで作業を繰り返す──そのハードワークの洗礼を、滝沢さんは初日に受けることになる。
「想像していたよりつらい仕事で驚きました。特に最初は、力の入れ加減もわからないから常に全力で走っちゃう。働き初めてすぐ、9月にペットボトルの回収を担当したときは、まじで熱中症でぶっ倒れそうになりました」。
こんなきつい仕事、芸人と掛け持ちで続けられるのか。だけど、ほかに職は見つからない。妻と子供を養うために、なにより自分がお笑いを辞めないために、やるしかなかった。

「とにかく仕事は意地でも休みたくなかったんです。たとえ体が動かなくても、『行けません』と言うのではなく、現場まで行ってから倒れてやろうと。出社しなければサボっていると思われるけど、出社さえすれば文句は言われない。日本が世界に誇る、ザ・根性論ですよ(笑)」。
そう言う滝沢さんだが、実際には笑えない状況だった。体が慣れるにつれて、今度は精神的なつらさが露呈してくる。自分は本当はお笑いの仕事がしたいのに、なぜごみ清掃なんかやってるんだろう。そう考えるとまた体が重くなる。悪循環だった。


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