「37.5歳の人生スナップ」とは…… >前編はこちら 生産者と消費者をつなぐ「ポケットマルシェ」を立ち上げた高橋博之さんが、実は新聞記者を目指して議員秘書を勤めていたという20代のお話を伺った前編。
人生を変えた屋久島での出会いを経て、地元の課題を解決する地域に根付いた政治家を目指して、地元・岩手県花巻市で活動を始めた。
地盤や看板がなくても勝てる
地元の岩手・花巻で街頭演説を始め、3カ月ほどたったころ、変化が起き始めた。毎日通る通勤の人がクラクションを鳴らして応援してくれたり、寒い日に温かい缶コーヒーを手渡してくれる人がいたり。カラオケ教室を営んでいる人が「もっと演説に抑揚をつけろ」というメモをそっと手渡してくれたこともあった。
そして1年4カ月経ったときに、チャンスが訪れた。県議会議員の補欠選挙だ。
そして30歳で初当選。1年後の本選挙でもトップ当選。街角に立ち続け、町の人と繋がっていった結果だった。
「地盤・看板・カバン、なんにもない人が無理だよって言われましたけど、結果、全世代、全地域からまんべんなく票をとることができたんです。
僕の考えに共感してくれた人たちが、『この指止まれ』で集まってくれた。損得ではなく価値観を共有できることが大事。これは、政治でも事業でも同じです」。
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