自転車ライフ 2.0 Vol.23
2020.10.02
LIFE STYLE

1930年代モノも登場。超ビンテージマニアが選ぶ極上のクラシック自転車3選

「自転車ライフ 2.0」とは……

ビンテージ全般に造詣が深い、オールドジョーの髙木雄介さんが愛用するクラシックバイシクル。

話題のブランドから稀少な年代物まで、見応えのあるラインナップをお届け!

髙木雄介●1979年生まれ、香川県出身。2008年、アメリカやヨーロッパのビンテージスタイルのエッセンスを取り入れたファッションブランド、オールドジョーを立ち上げる。パタンナーであった経験を活かし、一貫して自社で企画、生産を行う。古い時代のプロダクト全般に造詣が深い。

クラシックに魅せられた自転車ライフ

公共の乗り物があまり得意でないという髙木さんは、通勤をメインに20代後半から自転車に乗り続けている。

「初めてクラシックな自転車を意識して買ったのは、京都のオーダーメイド自転車ブランド、グランボア(GRAND BOIS)の定番ランドナー。気に入っていて長いこと乗っていたんですが、事務所の前だからと油断して鍵をかけずに置いていたら、あっさり盗まれてしまって(笑)。それから少しの間、ショックで自転車に乗りたくなくなってしまったんですよ」。

そんな気分を吹き飛ばす出合いがアメリカで待っていた。

唯一無二の技巧で魅せるアスカリ バイシクルズのハンドルグリップ。

「ニューヨークの街を歩いていたら、その当時ほとんど知られていなかったアスカリ バイシクルズ(Ascari Bicycles)を見掛けて、あまりの格好よさに衝撃を受けました。あのラルフ・ローレンがコレクターだという話にも頷けるぐらい、ひと目でわかるほどクオリティに説得力があります」。

そこから髙木さんの自転車熱にも再び拍車がかかる。

「ビンテージも気にはなっていたんですけど、本気で探すとなると、時間と手間がものすごくかかる。そこで渋っていたところ、たまたまご縁があって、譲ってもらえることになったんですよね。気が付いたら、アスカリ バイシクルズを始め、数台の自転車を所有することになっていました(笑)」。

「仕事と遊びの境界線がないからこそ、モノ選びは妥協ができない」。そう語る髙木さんのお気に入りの自転車を紹介してもらった。

 

超絶的な技巧が光るハンドメイドバイシクル

アスカリ バイシクルズは、装飾を限界まで突き詰めた美術工芸品のようなモデルが存在し、海外では店舗のディスプレイなど、オブジェとしても扱われることも多い。

「いくつかの選択があるなかで、街乗り用で選ぶなら、『アスカリ ブリット』がベストだと思います。アスカリ バイシクルズのなかではロードバイク的な立ち位置で、デザインもシンプル。かなりの頻度で乗っています」。

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夢心地が味わえる英国製の極上ビンテージ

こちらは知人から譲ってもらったというヘチンス(HETCHINS)の1930年代頃のビンテージバイシクル。髙木さんによると、約90年前の自転車にも関わらず「奇跡的なコンディション」なのだという。

「僕にとって夢のような1台ですね。もともと好きなブランドでしたが、まさかここまで状態のいい個体に出合えるとは思ってもいませんでした。パーツもほぼ完璧に整っていて、文句の付けようがないです」。

ヘチンスのビンテージ。フレームの至るところにイギリスらしい装飾が施されている。

多少気は使うにせよ、ごく普通に街乗りするのが、髙木さんのビンテージラバーとしての流儀らしい。

「ウッドリムなので乗り心地は柔らかくはないかもしれませんけど、痩せ我慢するようなレベルではないから、ごく普通に通勤でも使っていますよ」。

 

イタリアの名門チネリの希少なシティバイク

「1930年代のチネリ(Cinelli)のシティバイクは、女性用に作られた小ぶりのサイズが特徴。僕としてはママチャリ的な存在として捉えています」。

イタリアブランド特有の色使いと、見ればわかる素晴らしいコンディション。では、その乗り心地は?

「サドルもしっかりしているから、乗り心地はそれなりに快適ですよ。ビンテージバイシクルは基本的に“ミントコンディション”を探すことをオススメします。趣味で楽しむ場合、自転車の心地よさは、乗り心地だけで決まるわけじゃないから、“見た目”は必ずこだわりたいですね」。

ミントコンディションとは、ほぼ使われた形跡のない、とても良い状態を指すビンテージ界隈の専門用語のようなものだ。物理的なダメージが少ないので、時空を超えてガシガシ楽しめる。

見て楽しい、乗って楽しい、極上のクラシックバイシクル。懐古主義とは違う、髙木さんのビンテージプロダクトとの暮らしは、ゆったりとした心地いい時間が流れているのだった。

 

「自転車ライフ 2.0」とは……
環境や体型の変化だったり、身近な先輩の姿に憧れたり。ハマった理由は皆異れど、自転車にかける想いは誰もが強く、深い。自分好みへと仕様を変えた相棒と日々暮らす、同世代の自転車ライフをパパラッチ。
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戸叶庸之=編集・文

# オールドジョー# クラシックバイシクル# ビンテージ# 自転車
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