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夢心地が味わえる英国製の極上ビンテージ


こちらは知人から譲ってもらったというヘチンス(HETCHINS)の1930年代頃のビンテージバイシクル。髙木さんによると、約90年前の自転車にも関わらず「奇跡的なコンディション」なのだという。
「僕にとって夢のような1台ですね。もともと好きなブランドでしたが、まさかここまで状態のいい個体に出合えるとは思ってもいませんでした。パーツもほぼ完璧に整っていて、文句の付けようがないです」。
ヘチンスのビンテージ。フレームの至るところにイギリスらしい装飾が施されている。
多少気は使うにせよ、ごく普通に街乗りするのが、髙木さんのビンテージラバーとしての流儀らしい。
「ウッドリムなので乗り心地は柔らかくはないかもしれませんけど、痩せ我慢するようなレベルではないから、ごく普通に通勤でも使っていますよ」。
 

イタリアの名門チネリの希少なシティバイク


「1930年代のチネリ(Cinelli)のシティバイクは、女性用に作られた小ぶりのサイズが特徴。僕としてはママチャリ的な存在として捉えています」。

イタリアブランド特有の色使いと、見ればわかる素晴らしいコンディション。では、その乗り心地は?
「サドルもしっかりしているから、乗り心地はそれなりに快適ですよ。ビンテージバイシクルは基本的に“ミントコンディション”を探すことをオススメします。趣味で楽しむ場合、自転車の心地よさは、乗り心地だけで決まるわけじゃないから、“見た目”は必ずこだわりたいですね」。
ミントコンディションとは、ほぼ使われた形跡のない、とても良い状態を指すビンテージ界隈の専門用語のようなものだ。物理的なダメージが少ないので、時空を超えてガシガシ楽しめる。
見て楽しい、乗って楽しい、極上のクラシックバイシクル。懐古主義とは違う、髙木さんのビンテージプロダクトとの暮らしは、ゆったりとした心地いい時間が流れているのだった。
 
「自転車ライフ 2.0」とは……
環境や体型の変化だったり、身近な先輩の姿に憧れたり。ハマった理由は皆異れど、自転車にかける想いは誰もが強く、深い。自分好みへと仕様を変えた相棒と日々暮らす、同世代の自転車ライフをパパラッチ。
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戸叶庸之=編集・文


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