「37.5歳の人生スナップ」とは……ネイチャーフォトグラファー岡田裕介さんが2009年にNational Geographic International Photography Contestで奨励賞を受賞した写真は、正面から捉えたマナティのリラックスした表情と、そこにキラキラ群がる魚たちの対比がなんともユーモラスで印象的だ。
このワンカットのために、一日中海に潜り、ファイダー越しにマナティを見つめ続けていたという。決してラッキーな1枚ではない。
「自然の生き物をずっと見続けていることが全然苦じゃないんです。じっと観察し続けて、自分が『かわいい!』『いいね!』と感じた瞬間にシャッターを切れることが楽しくて仕方ない」。
しかし、自然という被写体と岡田さんが出合うまでには、いろいろな転機があった。
「小学生の頃の夢を叶えて今がある人もいると思いますが、僕はそれとは大違い。でも、好奇心旺盛にやってきて良かったな、と思っています」。
2/3