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2020.06.03

ライフ

亀田誠治が、絶対無理と言われた日比谷音楽祭の「入場無料」にこだわったワケ

「37.5歳の人生スナップ」とは……
齢50を過ぎて、先陣を切って頭を下げにいく。その数は100近くに及んだ。

東京の都心にある日比谷公園を会場とする「日比谷音楽祭」の開催実現に向け、協賛企業を募るためにセールスシートを持って営業へ向かった、亀田誠治さんのことだ。
2019年に開催された第1回日比谷音楽祭のステージに立つ亀田誠治さん。 ※写真提供:日比谷音楽祭実行委員会

10万人が集まった「音」を「楽しめる」かつてない場所

亀田さんは日本を代表する音楽プロデューサーとして知られ、これまで椎名林檎、平井堅、スピッツ、GLAY、いきものがかりをはじめとする数多くのアーティストのプロデュースとアレンジを手掛けてきた。日本レコード大賞も編曲賞を2度受賞している。

日比谷音楽祭では実行委員長を担っている。キャリアと立場を思えば本来の役割は総合演出が妥当と言えるが、実際にはみずから企業に足を運び、「音楽祭開催のための協賛をお願いします」という役回りもつとめたのである。

そうして実行委員長みずから労を惜しまず取り組んだ日比谷音楽祭は、「フリーで誰もが参加できる、ボーダーレスな音楽祭」をコンセプトに、2019年6月に第1回目が催された。
2019年のステージで行われた石川さゆりさんと布袋寅泰さんのセッション。数々のボーダーレスな共演が行われた。 ※写真提供:日比谷音楽祭実行委員会
会場内に設けられた複数のステージには、石川さゆり、KREVA、coba、椎名林檎、JUJU、SKY-HI、布袋寅泰、警視庁音楽隊、金子飛鳥×林正樹、DEPAPEPE、新妻聖子、山本彩ら、そうそうたるアーティストが登場。

文字通りボーダーレスに、ロック、ポップス、歌謡曲、オーケストラ、クラシック、インストゥルメンタルといったあらゆるジャンルの音楽が奏でられた。

そして都心の大空のもと、多彩な音楽を楽しめる祭りには2日間でのべ10万人が来場。さまざまな年齢の人たちが純粋に“音”を“楽しめる”かつてない場となった。


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