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2020.04.17

ライフ

「緊急事態だからこそ、できることがある!」と力説する上司は疎まれる

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「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは…

未曾有の緊急事態「コロナ禍」 

言うまでもなく我々は今、世界を襲う未曾有の危機の中にあります。新型コロナウィルスによるパンデミックです。
そんじょそこらの緊急事態ではなく、一生に一度あるかないかのものではないかと思いますし、何度もこんな目に遭いたくないので、そうあってほしいものです。
さて、ビジネスシーンにおいて、よく「ピンチはチャンスだ」という言葉が使われます。今もこの「コロナ禍」という大ピンチの最中で、不安に苛まれている部下を鼓舞しようと、「こんな緊急事態だからこそ、何かできることがあるのではないか」と力説している上司の皆さんも多いのではないでしょうか。

「ピンチ」とはどんな状態か

しかし、そもそも、なぜ「ピンチ」が「チャンス」なのでしょうか。まず、「ピンチ」とは、想定外の出来事が起こって、目的や目標が達成できなくなりそうな危険な状態のことです。加えて言いますと、英語のpinchは「つまむ」という意味ですが、要はつままれて狭くなった隘路やどん底に入り込んだということです。つまり「逃げ場がない」状態のことです。
なんとか活路を見出そうと、いろいろ手を尽くしたあとにやってくる境地、それが「ピンチ」という状態です。こんな状態が「チャンス」と言われると、「いやいやいや、どれだけ対策をやり尽くしたかわかっていますか。ピンチはピンチです」と思うのがふつうです。

なぜ「ピンチはチャンス」なのか

それなのに、なぜ多くの上司は「ピンチはチャンス」と言うのでしょうか。よく言われるのは、「ピンチに陥ったのはチャレンジの結果。しかも、ひとつの選択肢がダメとわかった。だから、別のチャレンジをすればよいというチャンスだ」ということです。
エジソンも「私は失敗したことはない。うまくいかない方法を何百通りも見つけただけだ」と超ポジティブに言っています。他にも「ピンチこそ能力開発の場。次の機会にそれを発揮できるからチャンスなのだ」とか「ピンチのときには、最後に守るべきものに目が行き、自分の本当に大事なものがわかり、その後の指針になるからチャンスだ」などがよく言われることです。


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