2019.12.04
LIFE STYLE

妻が夫に求める“格好良さ”とは? 仕事よりもサプライズよりも大切なこと

知ってるつもりの彼女のキモチ●あなたは、そばにいる女性の気持ちを、本当にわかっているだろうか? 服装、遊び、家事、仕事。どこか、ひとりよがりになってはいないだろうか? 会社の部下、同僚、取引先のあの人、妻……彼女たちの本音を知って、我がふり直せ。

料理、洗濯、掃除に子守り。夫が良かれと思って行った家事に、妻が不満顔なのはナゼだ?

これまで1000件以上の夫婦間の相談にのり、目からウロコの金言を授けてきたコラムニスト、ミセス・パンプキンさんに、その疑問をぶつけてみた。


PROFILE
ミセス・パンプキン●4人の子を育て、ニューヨーク州弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士と、それぞれの道へ羽ばたかせたスーパーマザー。その経験をもとに、2013年から、東洋経済オンラインにてミセス・パンプキンの人生相談室を連載。のべ1000件以上もの夫婦間、家族間の相談にのってきた。『世界中のエリートの働き方を一冊にまとめてみた』『最強の働き方』(ともに東洋経済新報社)の著者であり、実子のひとり、ムーギー・キム氏との共著『一流の育て方』(ダイヤモンド社)、『最強の人生相談』(東洋経済新報社)も話題。


 

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「妻はそれを求めていますか?」

—良かれと思って家事を手伝っても、妻の反応はイマイチ。なぜなんでしょうか?

それはおそらく求める期待値にズレがあるからだと思いますよ。各々の期待値は、そのご両親が築いてきた関係に強く影響されます。お父さんが仕事も家事も全部やる人だったならば、当然自分の相手にもそれを求めます。

お金を稼いでくるのが父親、家を守るのが母親と分担した一家で育てられた方は、相手にも両方を求めないことが多いようですね。自分がやっていることと、パートナーが求めていることはズレていないかの確認が大切です。

そのズレをなくしていくためには?

相手の期待値を変えること。もしくは相手の期待値に合わせることのどちらかでしょうか。

—できれば妻の期待値を変えたい…… ですかね。

だとすると、「自分(夫)が収入をすべて支えてるんだから、家事は君(妻)の領分でしょ」というような論を展開するのが、かつてはよくあった光景かもしれません。ただ、今は共働きのご家庭も多いでしょうし、昭和然とした考えを押し付けるのもいかがなものかと。お金を稼ぐという面で同等な今は、より一層お互いに思いやりや愛情を持って接する心持ちが重要かもしれません。

 

「本当に格好良い夫になりなさい」

—具体的にどうすれば。

私と同世代の女性で、アメリカの男性と結婚した友人がいます。かれこれ、現地で50年ほど結婚生活を送っているでしょうか。職業はどちらも世界的な科学者で、同じ研究所で働いているご夫婦です。

10年ほど前、彼女の自宅へ遊びに行った際、食事をご馳走になったんです。あらかた料理を食べ終えると、ご主人が彼女の肩にそっと手を添え「今日も美味しかったよ」といいながら、洗い物をするんです。思わず私は彼に「洗い物はいつもあなたなの?」と聞いてしまいました。すると彼は「一緒に働いていて、僕には作れないような美味しい料理も作ってくれる。これくらいのことをするのは当たり前じゃないか」と言うのです。

美しい関係だなと思いましたね。誰がどの役割をというおカタいルールではなく、互いへの愛情をベースに、相手が心地良いと感じることをやってあげたいと思い、空いた時間や能力の違いに合わせて、自発的にやれることをやっているんです。

—なるほど…

格好良く思われたいがために料理をするのですか? 本質は違いますでしょ? やはりお互い居心地が良く、穏やかな生活を送るために、やるべきことを見つけてお互いが家事をするのがいいでしょうね。

—確かに、そういう夫でありたいです。

夫だけでなくお互いにですが、そんな夫婦は格好いいでしょ? これが本当の格好良さだと思うんです。週末ゴルフに行く許可が欲しいから家事をするなんて、みみっちいわよね(笑)。

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「家事はサプライズじゃ意味がない」

—未だに料理や洗濯、掃除を特別なこととして捉える夫は多いと思います。

要はね、今何をしたらパートナーが嬉しいかを第一優先に考えること。これも愛情よね。妻が料理をしていたら、仕上げるのに必死であとに残る洗い物まで手が回らないの。だから、その横で次から次へと洗い物が減っていったらそれこそ彼女は料理を楽しめてもっと美味しいものを作ろうと思うわね。

基本的に、普段できていない家事を手伝うことはとても素敵なこと。ただ、動機が不純だったり、単なる点数稼ぎで、サプライズみたいにその日だけやるようなものではありません。毎日のことですからね。その下心は、きっと相手にも伝わってしまっているものです。

—耳が痛いです……(汗)

妻には、長年家事をしてきた末に生み出した独自のルーティーンや方法があるものです。それを急に崩されると、かえってフラストレーションが溜まってしまうかもしれませんね。サプライズをするのであれば、お誕生日に“手伝ってほしい家事を書いてください”というメモを渡されたほうが私は嬉しく思うわね。

 

「仕事だけでは半人前」

—なるほど。

千葉敦子さんという著名なジャーナリストがいらっしゃったでしょ。彼女が言うにはね、経済活動に秀でていても、身の回りの食べる、寝る、掃除をするなどができなければ、それは人として半人前。両方ができてこそ一人前だとおっしゃっていました。私もその通りだと思います。

いつ妻が倒れて、ひとりになるかも分かりませんからね。そこでまともな生活ができないようではいただけません。パートナーを喜ばせるためだけではなく、周囲が、自分が、ずっと幸せに暮らしていくために。そう思えば、自然と家事にも意識が向くんじゃないかしら。そしてそんな気持ちからやってくれた家事は、最初はどんなに下手であったとしも、喜ばない妻なんていないはずですよ。

 

聞けば聞くほど、普段の自分の心持ちとパートナーへの態度を考えさせられるミセス・パンプキンさんのお話。

「すれ違いをなくすのも、本当の格好良さも、パートナーへの愛情をベースに成り立つものです」という彼女の言葉を、我々は真摯に受け止める必要があるようだ。

次回は、家事が苦手な人への金言を。

 

菊地 亮=文

# すれ違い# 女性目線# # 家事
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