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「妻はそれを求めていますか?」

—良かれと思って家事を手伝っても、妻の反応はイマイチ。なぜなんでしょうか?
それはおそらく求める期待値にズレがあるからだと思いますよ。各々の期待値は、そのご両親が築いてきた関係に強く影響されます。お父さんが仕事も家事も全部やる人だったならば、当然自分の相手にもそれを求めます。
お金を稼いでくるのが父親、家を守るのが母親と分担した一家で育てられた方は、相手にも両方を求めないことが多いようですね。自分がやっていることと、パートナーが求めていることはズレていないかの確認が大切です。
そのズレをなくしていくためには?
相手の期待値を変えること。もしくは相手の期待値に合わせることのどちらかでしょうか。
—できれば妻の期待値を変えたい…… ですかね。
だとすると、「自分(夫)が収入をすべて支えてるんだから、家事は君(妻)の領分でしょ」というような論を展開するのが、かつてはよくあった光景かもしれません。ただ、今は共働きのご家庭も多いでしょうし、昭和然とした考えを押し付けるのもいかがなものかと。お金を稼ぐという面で同等な今は、より一層お互いに思いやりや愛情を持って接する心持ちが重要かもしれません。
 

「本当に格好良い夫になりなさい」

—具体的にどうすれば。
私と同世代の女性で、アメリカの男性と結婚した友人がいます。かれこれ、現地で50年ほど結婚生活を送っているでしょうか。職業はどちらも世界的な科学者で、同じ研究所で働いているご夫婦です。
10年ほど前、彼女の自宅へ遊びに行った際、食事をご馳走になったんです。あらかた料理を食べ終えると、ご主人が彼女の肩にそっと手を添え「今日も美味しかったよ」といいながら、洗い物をするんです。思わず私は彼に「洗い物はいつもあなたなの?」と聞いてしまいました。すると彼は「一緒に働いていて、僕には作れないような美味しい料理も作ってくれる。これくらいのことをするのは当たり前じゃないか」と言うのです。
美しい関係だなと思いましたね。誰がどの役割をというおカタいルールではなく、互いへの愛情をベースに、相手が心地良いと感じることをやってあげたいと思い、空いた時間や能力の違いに合わせて、自発的にやれることをやっているんです。
—なるほど…
格好良く思われたいがために料理をするのですか? 本質は違いますでしょ? やはりお互い居心地が良く、穏やかな生活を送るために、やるべきことを見つけてお互いが家事をするのがいいでしょうね。
—確かに、そういう夫でありたいです。
夫だけでなくお互いにですが、そんな夫婦は格好いいでしょ? これが本当の格好良さだと思うんです。週末ゴルフに行く許可が欲しいから家事をするなんて、みみっちいわよね(笑)。


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