Camp Gear Note Vol.22
2019.11.29
LEISURE

自分たちで作って売るからとことんこだわれる。「テンマクデザイン」の強み

連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。

ロゴ

関東を中心に展開するアウトドアライフストア「WILD-1(ワイルド ワン)」がプロデュースする「tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)」。テントやタープといった大物はもちろん、カッティングボード、シェラカップなどの小物まで幅広いラインナップを誇り、有力な国内産アウトドアブランドのひとつとなっている。

スタートから10年足らずで世のアウトドアマンに認められ、成長した理由を、WILD-1事業部 商品部 商品開発グループ 統括マネージャーである根本 学さんに聞いた。

根本さん
「テンマクデザイン」を統括する根本さん。カヌーやシーカヤック、フィッシングを中心に楽しむ、熟練のアウトドアマンである。
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キャンパーたちから本当に望まれるアイテムを提供したい

——マルチなブランドとして定着しつつある「テンマクデザイン」。スタートはいつで、どのようなキッカケで誕生したのですか?

プロジェクト自体は2010年の秋から始まり、正式に始動したのは’11年になります。eコマースが発展し、実店舗だけのビジネスでは厳しい時代に突入した頃です。WILD-1を成長させるには、ユーザーからのどんなに細かいニーズにも応えていくべきと判断し、本当にお客様が必要としているアイテムを自分たちで作ろうと。そのため、メジャーなものから非常にニッチなプロダクトまで、今ではトータルで約300もの商品ラインナップがあります。

——スゴいバリエーションですね。なかでも注力しているジャンルはなんでしょう?

“食”と“焚き火”ですね。アウトドアカルチャーが徐々に成熟し、さまざまなスタイルが認められるようになりましたが、普遍的な癒しやワクワク感を与えてくれるのはこの2つだと考え、両者に関しては日本一を目指しています。

アイアンストーブ
「アイアンストーブ」5万4780円 ※2019年冬で販売終了。

——確かにストーブやグリル、クッキングツールの充実ぶりは圧巻ですね。

実は、製品第1号が薪ストーブの「アイアンストーブ」なんです。現在も「アイアンストーブ改」としてアップデートしながらリリースしている人気アイテム。WILD-1が運営するキャンプ場、WFO(ワイルドフィールズおじか)の倉庫奥から引っ張り出したアメリカ製の携帯薪ストーブをサンプリングし、キャンパーからBBQフリークまで幅広いユーザーさんからご支持いただいています。

薪ストーブって上級者のイメージがあるかも知れませんが、実際にはさほど難しくなく、風情を楽しめて、なおかつ便利なんです。ですから、どんなアイテムでもリーズナブルで扱いやすければ、多くの人に受け入れてもらえるんだと自負しています。

メスポットラージ
「メスポット ラージ」(中にあるクッカー)1100円
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アウトドアをもっと楽しんでもらえるならマニアックなギアでも作る

——熱燗プラス一品作りに特化した「メスポット ラージ」も、かゆいところに手が届いた象徴的なアイテムです。

徳利とおつまみ1食分が楽しめる、非常にシンプルなクッカーです。しかし、金型から起こした完全オリジナルアイテムのため、相当な開発費を要しました。それでも、これを使ってアウトドアで一杯やりたい人々の満足度を想像したら、作らないわけにはいかなくて(笑)。採算が取れるまで時間がかかるのは覚悟のうえで製作した力作なんですよ。

焚き火イメージ
焚き火タープを製作できるのはスタッフが丁寧に説明し、正しい使用法を伝えられるのが大きい。

——かなりニッチではありますね。

ナショナルブランドが拾えないニーズを押さえられるのは、小規模生産が可能な我々だからこそ。例えば、ヒット作の焚き火タープシリーズも大手メーカーなら作りにくいアイテムでしょう。それは販売店に自社スタッフがいないから、ファブリックによる特性の違いや注意点などを、正確に伝えられないんです。

例えばコットンは水を含むと繊維が膨らんで目が詰まり、結果的に防水性が生まれます。そこへ撥水スプレーを過剰にかけると、機能が発揮されなくなる。つまり繊維を撥水剤でコーティングしてしまうため、目が粗いままになってしまうのです。難燃素材は間違った使い方をすると危険ですからね。しっかりと商品知識を持ったうえで、接客を行うことが大切なんです。

根本さん
「今のキャンプブームを支えている世代がそろそろ子離れの時期。ソロに移行するときにもテンマクデザインを選んでくれたらうれしいです」。

ソロ転向派のパパも楽しめる斬新なプロダクトを作っていきたい

——今後はどのような展開を予定していますか?

ソロキャンパーに向けた商品開発を積極的に進める予定です。元々WILD-1はエントリー向けの、“こだわっているけど使いやすいプロダクト”をセレクトしており、ファミリーで来店してくださる方が多い。ですから今後は子供が大きくなって、ソロキャンプに転向しようというパパも増えてくると予想しています。

また、単にニーズに応えるだけでは価格競争になる一方なので、最終的に誰もハッピーになれないとも考えています。ただ売るだけでなく、我々からもどんどん新しいアクションを仕掛けていくことは必要でしょうね。お客さんが思いつかないようなアイデアを提案して、アウトドアライフを豊かにするお手伝いをしていきたいと思っています。

 

金井幸男=取材・文 平安名栄一=写真

# Camp Gear Note# アウトドア# テンマクデザイン
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