FUN! the TOKYO 2020 Vol.34
2019.10.30
LEISURE

早い! 激しい! 番狂わせあり! 東京オリ・パラのラグビーはW杯以上の見応えかも

FUN! the TOKYO 2020
いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。何かと “遊びざかり”な37.5歳は、 この一大イベントを思い切り楽しむべき。 競技を観るのもするのも、主な拠点となる東京を遊ぶのも、存分に。2020年の東京を……Let’s have FUN!

日本代表の初のベスト8進出で大いに盛り上がったラグビーW杯。この1カ月でラグビーの魅力にとりつかれた人も多いはず。W杯が終わっても、社会人のトップリーグや大学ラグビーに足を運んでみようかな、と思った人もいるだろう。

そんな人は、ぜひ来年の東京オリンピック・パラリンピックにも注目してほしい。

どちらにもラグビーが正式競技として存在するのだ。オリンピックはセブンズと呼ばれる「7人制ラグビー」、パラリンピックは「車いすラグビー」がそれぞれ行われる。

とにかく早い!
華麗なパスと走りに魅了されたなら「7人制ラグビー」を

リオ五輪の7人制ラグビーでは、日本代表はベスト4に進出。3位決定戦で敗れ、惜しくもメダルには手が届かなかった。 写真:AFP/アフロ

「7人制ラグビー」は、その名の通り、7人の選手で行うラグビー。ルールはほぼ15人制のラグビーと同じだが、試合時間やリスタートキックなど細かな違いは存在する。

グラウンドは15人制と同じサイズ。そのうえで人数が少なくなるので必然的に攻撃側も守備側も広大なスペースを駆け回ることになる。そのため選手には15人制に比べて何度もトップスピードで走るスプリント能力やスタミナが必要だ。

一方、観戦者からすると、このスペースの広さは15人制に比べると密集戦が少なくなる分、試合展開のわかりやすさにつながる。またボールを奪ってそのまま一気に相手ゴールまで駆け抜けてトライ、なんてシーンも多いので、先日の日本戦のそんな爽快感に惹かれた人はより楽しめるかもしれない。

そう、その爽快感やスピーディーさは、ある意味7人制ラグビーの大きな特徴。というのも、なんと試合時間は前後半7分のわずか14分! ハーフタイムは2分以内とされているので、40分ハーフの15人制と比較すると、本当に短い(大会によっては決勝戦が10分ハーフの20分というケースもある)。

その短さゆえにコンバージョンキック(トライ後のゴールキック)は、地面にボールを置いて行うプレースキックはなしで、時間のかからないドロップキックのみ。トライ後のリスタートキックも攻撃の偏りを防ぐ目的で、トライを決められたチームがボールを保持しやすいよう、トライを決めた側のチームが行う。つまり、短時間でスピーディーに攻守が入れ替わるのが7人制ラグビーなのだ。

そして、試合時間が短いため、7人制ラグビーの大会は1日に複数試合を行うのが一般的。ラグビーW杯の大会期間は1カ月半ほどだが、7人制ラグビーは世界クラスの大会でも3日程度。前回のリオ五輪では準決勝と決勝が同日に開催された。ちょっとしたスキやミスがすぐさま相手のトライにつながりやすく、試合時間が短い7人制ラグビーは、15人制に比べ番狂わせが起きやすい。W杯で日本が見せたスピードとパスワークで繋ぐラグビーは、東京オリンピックでも、見応えのある試合を見せてくれそうだ。

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本当に火花が散る!?
激しいぶつかり合いに興奮したなら「車いすラグビー」を

車いす同士の激しいぶつかり合いも見どころの車いすラグビー。 写真:日刊スポーツ/アフロ

一方、パラリンピックの車いすラグビー(ウィルチェアーラグビー)は、こちらもその名の通り、さまざまな障がいのある選手が競技用の車いすに乗ってプレーするラグビーである。競技の基本的得点システムはラグビーとほぼ同じ。選手はパス、ドリブル、膝の上にボールを乗せるといった方法でボールを運び、選手がボールを保持した状態で、車いすの2つの車輪がトライラインに乗るか通過するとトライである。

ただ、15人制や7人制のラグビーと違い、試合はバスケットボールコートを使用するためフィールドは狭い。さらにボールは楕円形ではなく、バレーボールのような形状だ。

そして最大とも言える違いが、前方へのバスが認められていることと、オフェンス側はボールを持ってから40秒以内にトライをしなければいけないなど、いくつか時間制限があること。なので試合展開はこちらもスピーディーだ。

このようにラグビーとの違いもある車いすラグビーだが、ラグビーの魅力のひとつである「肉弾戦」の要素は十二分にある。というのも、車いすラグビーは車いすでのタックルが認められているのだ。車いす同士のぶつかり合いが許可されているのは、パラリンピックの全競技の中で車いすラグビーのみ。人体だけではなく、車いすという道具が激突する迫力や衝撃は、ある意味、ラグビー以上ともいえ、車いすラグビーには「マーダーボール(殺人球技)」という異名もあるほど。7人制ラグビーとは対照的に、ラグビーW杯で選手同士の激しいぶつかり合いに魅了された人は、車いすラグビーが楽しめるかもしれない。

 

そして最後に、7人制ラグビーも車いすラグビーも、日本は今回のW杯日本代表に負けない実績を積んでいる。7人制ラグビーの男子はリオ五輪でニュージーランドを倒す大金星を挙げ、メダルは逃したが4位につけた。女子は1次リーグ敗退だったが、東京での躍進を狙っている。

さらに車いすラグビーに関してはリオのパラリンピックでは銅メダル、2018年の世界選手権では初優勝を遂げるなどもはや世界トップクラス。当然ながら東京パラリンピックでは金メダル候補である。

 

W杯で芽生えたラグビー熱を一時的なものにするのはもったいない。来年の東京オリンピック・パラリンピックでも、華麗な走りや激しいぶつかり合いに、熱くなろうじゃないか!

 

田澤健一郎=文

# 7人制# TOKYO2020# オリンピック# パラリンピック# ラグビー# 日本代表# 車いす
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