FUN! the TOKYO 2020 Vol.35
2019.10.25
LEISURE

ドイツの「オリンピック博物館」でTOKYO2020を楽しむ準備運動を

FUN! the TOKYO 2020
いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。何かと “遊びざかり”な37.5歳は、 この一大イベントを思い切り楽しむべき。 競技を観るのもするのも、主な拠点となる東京を遊ぶのも、 存分に。2020年の東京を……Let’s have FUN!

突然ですが、ドイツ西部の街、ケルンにやってきました。

ケルン中央駅。ケルンは人口100万人を超えるドイツ第4の大都市だ。

大聖堂で有名な街。

世界遺産にも選ばれたケルン大聖堂。1880年になんと600年の年月をかけて完成。

なぜこの街にやってきたかといえば、ドイツのスポーツ界とオリンピックの歴史をまとめたミュージアム「ドイツ・スポーツとオリンピック博物館」があるから。TOKYO2020を控えた日本人として、スポーツとオリンピックの博物館、興味が湧く場所である。

というわけで駅からライン川沿いを15分ちょっと歩くと、かつての税関と倉庫を改装したという博物館が見えきた。

重厚感を感じる「ドイツ・スポーツとオリンピック博物館」。オープンは1996年。ちなみに隣は「ケルン・チョコレート博物館」。女性の観光客がたくさんいる。パートナーがスポーツに興味がない、という場合はこちらをオススメしよう。
エントランスにはアスリートのモニュメント。内装やディスプレイのデザインも海外のミュージアム見学の楽しみのひとつ。

早速、中に入ると出迎えてくれたのはドイツ・モータースポーツ界の英雄、元F1ドライバーのミハエル・シューマッハのレプリカマシンとレーシング・スーツ。

スキー事故で重傷を負ったシューマッハだが、最近は容体が好転したというニュースも。ちなみに息子、ミック・シューマッハのF1デビューも近いといわれている。

ミュージアムは2フロア構成。1階には過去のオリンピックの聖火トーチのレプリカ展示があった。

TOKYO1964のトーチもありました。
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メイン展示は2階。まずはドイツ・スポーツ界とオリンピック黎明期の資料展示から。オッ、と目をひいたのは、テニス黎明期のウェアと衣装。貴族の遊びから発展したスポーツであることがうかがえる。

現代とはかけ離れたテニスウェア。大河ドラマ『いだてん』で女学校の生徒たちが自分たちでテニスウェアを作り、プレーするシーンがあったが、似たようなデザインだった。

黎明期ゾーンやベルリン五輪ゾーンを抜けると、その先はドイツのスポーツとオリンピックの歴史を、年表とともに順を追って観ていける展示に。

時代の流れが理解しやすい、廊下を上手く使った展示。

年表展示の間にはいくつか展示ブースがあり、それぞれテーマを絞った展示がされていた。なかにはオリンピック選手団のユニホームを紹介する展示ブースも。1972年、ミュンヘン五輪におけるドイツ選手団の女性用ユニホームがかわいい。

ミュンヘン五輪、ドイツ選手団女性用ユニホーム。オリンピックやスポーツの服飾史も興味深い。
時代が新しくなるとエクストリーム系スポーツやパラリンピック関係の展示も増える。

そして、個人的にこのミュージアムいちばんの見どころと感じたのは、スポーツギア、なかでもシューズの展示だ。

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ドイツはアディダスやプーマという、我々の足元を彩ってくれる数々の名作スニーカーを世に送り出してきたスポーツブランドのお膝元。その2大ブランドを中心に、貴重な歴史的シューズが多数展示されているのだ。例えば、オリンピックの華ともえいる陸上でもアディダスやプーマは名選手の活躍を支えてきたことがよくわかる。

1959年から60年にかけて、ルドルフ・ダスラーがデザインしたプーマのランニングシューズ「ROMA」。その名の通り、1960年のローマ五輪で選手が使用。特許を取得した赤いナイロンのサポートとスパイクの配列が特徴だ。
女子として初めて800mで2分を切り、1972年、ミュンヘン五輪の女子800mでも金メダルに輝いたヒルデガルト・ファルクが使用したアディダスの陸上スパイク。ヒルデガルド本人の直筆サイン入りだ。

そして、やはりドイツ、アディダス、プーマといえばサッカー。サッカーについてはメイン展示とは別に独自のブースが設けられていた。そこにはドイツサッカー史を紐解く、貴重な資料が集められていた。なかでもやはりシューズの展示は技術進化の過程もわかり、貴重なモデルも間近で目にすることができる。スニーカーマニアには、ぜひ訪れてほしいミュージアムだ。

貴重な資料が並ぶサッカーの展示ブース。
20世紀初頭、サッカースパイクはワークブーツから派生していったという。写真は1914年に作られたスパイクのレプリカ。
1948年に開発されたプーマ初のサッカースパイク「ATOM」。
映画『ベルンの奇蹟』でも知られる1954年、スイスW杯における西ドイツ代表の歴史的な優勝。その選手たちが使用していたことで機能と品質が有名になり、映画同様の愛称で呼ばれるようになったアディダスのサッカースパイク「ARGENTINIA」。

スポーツやオリンピックは、競技そのものだけではなく、ウェアやシューズ、あるいは記録映像や写真などなど、それを取り巻くたくさんのカルチャーにも影響を与える。「ドイツ・スポーツとオリンピック博物館」は、それを再認識させてくれるミュージアムだ。

ちなみに屋上はフットサル場になっており、そばを流れるライン川を眺めながらミュージアム内にあるカフェでコーヒーでも買ってアフタータイムを楽しむのも気持ちいい。

屋上のフットサル場。

ウェアや歴史、それぞれの競技の文化など、オリンピック・パラリンピックを楽しむための新たな視点を与えてくれる「ドイツ・スポーツとオリンピック博物館」。ケルンに行くことがあったら、スポーツ好き、スニーカー好きはもちろん、TOKYO2020を待ちわびるすべての人に、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

ミュージアムのすぐそばはライン川沿いの遊歩道。
ちなみに、お土産を買うとかわいいミュージアムのトートバッグが無料でもらえる。

 

田澤健一郎=写真・文

# TOKYO2020# ケルン# ドイツ# 五輪ミュージアム
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