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2019.10.16

ライフ

スポーツビジネスからキャンプの世界へ。「ダークルーム」の生みの親・本田圭悟(39)の原点

『キャンプが、社会を豊かにする。コールマンは、本気でそう信じている』
アウトドアブランド「コールマン」のブランドマニフェストは、こんな書き出しで始まっている。
シーズンランタン
毎年予約からすぐに完売する「シーズンズランタン」、間違いない品質の「マスターシリーズ」に、遮光性を保つことで快適なキャンプライフを提案する「ダークルーム」シリーズ。
代表アイテムを挙げればキリがないが、キャンパーならば一度は通るこのブランドは、強い信念に根ざして、何度目かのキャンプブームに向き合っている。
時代の流れやニーズを汲み、その都度、デザインや機能性に変革を加えてきたコールマン。今回話を伺った本田圭悟さん(39歳)は、そんなブランドで商品の企画開発を長年行っている一人だ。
本田さん
「僕がいちばんやらなければいけない仕事は、たくさんの人が喜んでくれるものを作ること。マーケットの流れと自社が持っている既存のラインナップを比較し、将来的に何を企画すればヒットにつながるかを予想して企画を練り、開発する仕事です。取材でイチオシ商品を聞かれるのがいちばん難しい。だって全部すごく良いし、全部イチオシなんですよ!(笑)」。
そう言って笑う本田さんは、自身のプロダクトへの愛情が滲んでいた。
4Sワイド2エアリウム
2020年の新商品展示会に登場した「タフオープン2ルームハウス」。タープとテントが一体化したモデル。ありそうでなかった仕様も、本田さん渾身のアイデアだ。
浅黒い肌にがっちりした体型。根っからのキャンパーかと思いきや、意外にも昔は山より川や海のほうが得意、しかもキャンプに触れたのは、大人になってからだという。
現在は大ヒットとなった「ダークルーム」シリーズを筆頭とするテントやシェードの担当だが、これまでも小物やLEDランタンなどを歴任。数々のヒット商品を開発してきた。
アウトドアの楽しみを日本中に広め続ける男は、どのような経緯でコールマンに行き着き、商品開発にどんな思いを込めているのか、その半生とプロダクトマネジャーとしての原点を追った。


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