2019.10.09
LIFE STYLE

お金のためだけじゃない。フルタイムママが仕事を続ける理由

フルタイムママ >連載「夫たちが知らない、妻の本音」をはじめから読む

妻が夫にも言えない本音を聞き出すこの連載。第6回は、働き続ける理由について。

ずっと働き続けることの多い夫のみなさんはピンと来ないかもしれませんが、子育てしながらフルタイムに近い形で働き続けるのは、かなりの覚悟と気合いが必要です。

しかし、そこまでして働き続ける理由はなんなのか。お金のためだけ? それともほかに理由があるの? その点をフルタイムで働くママたちに聞いてみました。

Q.今の仕事を辞めて専業主婦になりたいと思うのはどんなときですか? また、それでも今の仕事を辞めない理由も含めてお答えください。

「子供と接する時間が短すぎると感じたとき。でも、中学受験を考えているのでお金が必要」(神奈川県・39歳)

「毎朝5時半に起き、一時間半かけて通勤。仕事も本当に大変で定期的に『もう主婦になりたい』と夫に泣きつきます。それでも辞めずに続いているのは、私立高校に通う息子のため。何としても大学へ行かせて、チャンスがあれば留学だってさせてあげたい。そう思い共働きを頑張っています」(神奈川県・38歳)

「仕事が好きだから辞めようと思ったことはない」(東京都・35歳)

「金銭的に余裕も無くなるし、社会との繋がりもなくなるので、専業主婦になりたいと思ったことはない」(滋賀県・40歳)

「家を離れている時間がストレス解消にもなるため、今後もずっと働き続けると思う」(栃木県・39歳)

お金のためだけに続けると、仕事は辛くなる

この質問への回答は、上記のようにざっくりと2タイプに分かれていました。

<タイプ1>仕事は大変だけど、お金のために辞められない
<タイプ2>社会との繋がり、やりがい、仕事の楽しさがあるから辞めるという選択肢がない

つまり、仕事にやりがいや楽しさが感じられていない人ほど、「辞めたいけど辞められない」という状況になっています。確かに、自分にとって働く理由が「お金のため」だけだったとしたら、よほど楽で報酬もいい仕事でない限り、モチベーションは続かないでしょう。

一方、お金以外の理由を見いだせている人は、同じくらい仕事と子育ての両立が大変でも、辞めたいとまでは思わないようです。

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前向きに働き続けるための2つの理由

さらにコメントの分析を続けてみましょう。仕事を続ける「お金以外の理由」は、大きく分けて2つありました。

<働き続ける「お金以外の理由」>
1.仕事にやりがいや楽しさを感じている
2.仕事が気分転換やストレス解消になる

確かに、私もこの2つの理由で働き続けていると思います。

自分の経験を思い返すと、仕事のストレスは子供と接することで解消され、子育てのストレスは仕事の充実感があるから解消されるといった相乗効果がありました。

たとえば、いまは娘が小学校に上がって、手を離れましたが、乳幼児の頃は、今よりももっと手がかかり大変でした。けれど、仕事を終えて保育園に迎えに行くのが毎日楽しみで、子供を抱っこした瞬間に癒されていたものです。

もちろん、子育てでは、想定外のことが立て続けに起こることもよくあり、イライラすることもたくさんありましたが、それはたとえば、自分がやった仕事を褒められたり、喜ばれたりすることによって、解消されていました。

私の身の回りのママたちに話を聞いてみても、やりがいを持って仕事を続けている人たちは増えていると感じます。それも、責任ある仕事や専門的な職業についている人ほど。そういう人は「仕事が大変だから辞めたい」とはならないようです。

先日も3人の幼児を抱え、夫は海外への長期出張が多いというフリーエディターの女性が「もういくら忙しくなっても同じかなと思って、オファーのあった仕事は断らないと決めているんです」と明るく言っていました。

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働くことに罪悪感を感じていたのはひと昔前まで

ほんのひと昔前までは、「仕事が楽しいからって子供を預けてまで働くなんてけしからん!」みたいな風潮や、「女性が働く=家計に余裕がないから」という考えが、日本の中では一般的でした。こういう考えを持っている人は、いまでもまだ残っていることも事実です。

誰もが知るような大きな企業で総合職として働く私の友人は、義理母(専業主婦)からたまに、「息子の稼ぎが悪いからあなたにそんなに働かせて申し訳ない」というニュアンスの発言があることに違和感があると言っていました。「私はどちらかというと好きで働いているのに」と。

また、私のママ友で、自分の親は夫婦で自営業、夫の実家は母親が専業主婦という女性(美容師。子供は幼児)は、両方の家庭環境の違いによるギャップを次のように語っていました。

「私は結婚したときから、子供ができても働き続けると宣言していたのに、いざ出産後に保育園を探して仕事復帰しようとしたら、夫のお母さんにものすごく驚かれました。義理母は、仕事をすると言っても、少し子供が大きくなってからパートに出るくらいに考えていたようです」

でも、この方の夫は、妻が自分の仕事に誇りを持って続けていることを理解し、今では子育ても家事も協力し合ってやっているそうです。「お金のために嫌々やる仕事」よりも「誇りを持って前向きにやっている仕事」のほうが、周りも応援したくなるということなのかもしれません。

夫がよき理解者であれば、妻は前向きに働ける

確かに、外で働くことよりも家で家事に専念したい、そちらのほうが得意という女性もいます。しかし、もし妻が何かやりたい仕事やチャレンジしたいことがあると言い出したら、背中を押すのが夫の役目。そして、ふたりでよく話し合って家事・育児を協力し合うのが、よきパートナーシップなのではないでしょうか。

妻が前向きに働くことで収入が安定すれば、もし自分が転職したいとか、起業したいとか、何らかリスキーなことにチャレンジしたいと思ったときに、安心してチャレンジできるというメリットもあります。妻が前向きにやりたいことを持っているということは、夫にとっても喜ばしいことなのではないでしょうか。

 

相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、小1の娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

石井あかね=イラスト

ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:既婚子持ちの35〜45歳の女性200人

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