左脳を刺激する! オッサンIT化計画 Vol.100
2019.09.29
LIFE STYLE

CD音質聴き放題!アマゾンの新配信サービスであの頃の音楽ライフが蘇る

スマホで音楽を聴く男

Apple MusicやSpotifyと並ぶ音楽ストリーミングサービスのAmazon Musicが、2019年9月17日から、新たに高音質配信サービス「Amazon Music HD」を提供開始。

従来のサービスから、何が変わったのか? 音楽好きな男性には、かなり気になる新サービスの概要と魅力をまとめてみた。

6500万曲以上の楽曲をCD、またはそれ以上の音質で聴ける定額配信サービス

80年代~90年代にかけて青春を過ごした男たちにとって特に、音楽は人生に不可欠な存在。レコードやCDを買い漁る頻度は減ったかもしれないが、最新の音楽配信サービスを利用し、新譜や名盤を小まめにチェックしているという人は、結構多いはず。

そこで気になるのが、配信サービスの音質だ。月額1000円程度で世界中の音楽が聴き放題になる点は魅力だが、CDに比べ音質が劣る場合が多いため、CDやレコードの音質に馴染んでいた世代としては、物足りなさを感じていたのではないだろうか。そんな音楽好きの男性に衝撃の朗報といえるのが、新しく始まった「Amazon Music HD」である。

「Amazon Music HD」のサービス紹介ページ
「Amazon Music HD」のサービス紹介ページ

これまで、国内向けでもソニーの「mora」やオンキョーの「e-onkyo music」など、CD音質またはそれ以上のハイレゾ音質音源を提供するサービスはあった。

しかし現状では、楽曲またはアルバム単位で購入するダウンロード販売が中心となるため、購入が面倒だったりコストを気にしてしまったりといった理由で、よほどのマニアでない限り手を出しにくい状況だったのが正直なところ。

その点、今回始まったAmazon Music HDなら、月1780円(プライム会員の場合)の定額料金で、6500万曲以上のCD音質音源、しかもその内の数百万曲はCD音質を超えるハイレゾ音質音源が、いわゆる“聴き放題”となる。

料金プラン表
Amazon Music HDの料金プラン。Amazon Music Unlimitedに加入している人は、月額1000円の追加料金でアップグレードできる。

この価格と対象となる楽曲数だけでも、十分なインパクトを持っているサービスであることがわかるはずだ。

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80年代~90年代の名曲はほぼ網羅。かなりニッチな楽曲もHD対応に

とはいえ、こだわりのある音楽好きなら、価格や楽曲数に惑わされるのは危険、と思っている人もいるはず。なぜなら、いかに楽曲数が多くても、自分が聴きたいアーティストが対象外だったなら、まったく意味がないからだ。

筆者も、その点がいちばん気になるところだったのだが、実際にAmazon Music UnlimitedからAmazon Music HDへアップグレードしてみたところ、CD音質に相当するHD(16bit/44.1kHz/最大850kbsのロスレス)対応の音源は、予想をはるかに上回る多様性を持っていた。

最新アーティストや、誰もが知るビッグアーティストの作品がHD対応になっているのは当然として、たとえば洋楽だと『Pebbles(60年代に活躍した、世界各国のマイナーなロックバンドの楽曲を集めたコンピレーション集)』のようにマニアックなアルバムまで、ちゃんとHD対応になっていたのは、個人的にかなりの衝撃。

アルバムチャート
アルバムアートの下に「HD」または「Ultra HD」のアイコンが付いている場合は高音質対応。「Ultra HD」と書かれていても、アルバム全曲がそうとは限らないようだ。

洋楽に比べると邦楽のほうが、少しだけ対応数が少ない印象もあるが、それでも80年代~90年代のアーティストは、だいたいカバーされているようだし、現在HD対応になっていないアーティストも、今後アップデートされていくのだろう。

ディスコグラフィー
フリッパーズギターはHD対応だが、なぜか今のところ小沢健二の作品はSD音質(16bit/44.1kHz/最大256kbsのロッシー形式)のままだった。

CD音質を超える「ULTRA HD」(最大24bit/最大192kHz/最大3730kbsのロスレス)対応音源も、思っていたよりは豊富な印象。やはりジャズやクラシック系が目立つが、90年代J-ROCKや80年代アイドルの楽曲でも、ULTRA HD対応しているものが少なからずあった。

アプリ画面
Amazon Music HDアプリでは、ULTRA HD対応楽曲のプレイリストを公開中。どのアーティストが対応しているか確認するのに便利だ。

現在、Amazon Music HDは90日間の無料体験キャンペーンを行っているので、自分が好きなアーティストがHDまたはULTRA HDに対応しているか確認してみると良いだろう。

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音質の差は歴然。モバイル利用ではデータ消費に要注意

アップグレードする前に、これまでの標準音質とHD音質を聴き比べてみたが、いうまでもなくその差は歴然。3万円程度で購入した格安AndroidスマートフォンとBluetoothイヤホンの組み合わせで聴いても、標準音質では聴き取れなかった音が、ハッキリと聞き取れるようになるほか、音の広がりも明らかに変わる。一度HD音質に慣れてしまうと、標準音質にはちょっと戻りたくない感じだ。

スマホ画面
端末やイヤホンの性能などにより再生音質が変わる点に注意。スマートフォンとBluetoothイヤホンやスピーカーの組み合わせでも、HD音質の良さは実感できるはずだ。

一方、ULTRA HD対応まで行くと、やはりスマートフォンではHDと比べて大きく変わる、というまでには至らない印象。

こちらに関しては、ハイレゾ対応のDACを使ったPCオーディオや、Amazon Music HD音源を直接再生できるオーディオ機器(HEOS対応機種)向けと考えても良いだろう。ちなみに、アマゾンのスマートスピーカー「ECHO」シリーズもAmazon Music HD対応となっている。

2019年12月5日発売予定のスマートスピーカー「Echo Studio」(2万4980円)なら、本体のみでAmazon Music HDの高音質が楽しめるとのこと。サラウンド再生にも対応している点も注目だ。

月額1780円といえば、ちょっとお高く思えるかもしれないが、実際にはCD1枚にも満たない値段。それで6000万曲以上が聴き放題になると考えれば、音楽好きなら十分コスパに優れているといえるのではないだろうか。

1点だけ注意があるとすれば、スマートフォンを使い外出先でHD音質、またはULTRA HD音質の楽曲を聴く場合。標準音質に比べ、HDなら1曲あたり5倍くらい、ULTRA HD音質なら十数倍以上のデータ量を消費してしまう。

スマホ画面
サービス開始直後からAmazon Music HDでHD音質やULTRA HD音質の楽曲を屋外で聴きまくっていたところ、1週間弱で1カ月分に近いデータ量を消費してしまった。

モバイルデータ通信だけで利用すると、すぐにギガを使いつくしてしまうのは確実。また通信環境によって、特にULTRA HD音質の楽曲は再生が途切れがちになってしまう。

データ消費を防ぎ、スムーズに音楽を楽しみたい場合は、ストリーミングサービスならではの手軽さが損なわれるが、Wi-Fi環境で、事前に楽曲をダウンロードしておくとよいだろう。

折しも、次世代通信規格「5G」の本格的国内導入が目前に迫るなか、ハイクオリティかつ手軽な音楽ストリーミングサービスは、コンテンツ業界の未来図を知る上でも重要な存在となるはず。懐かしのサウンドから最新ヒットまで、音質にこだわりたい音楽好きはもちろん、ビジネス上の参考知識としても、今回のAmazon Music HDは、要チェックの存在となるはずだ。

石井敏郎=文

# Amazon Music HD# オッサンIT化計画# 音楽
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