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2019.09.27

あそぶ

平山祐介が「アギレラになりてぇ!」ほど感動した音楽映画とは?

俳優として映画やドラマでも大活躍のモデル・平山祐介さん。読書好きで知られる彼だが、映画鑑賞も古くからの趣味のひとつ。今回は祐介さんに「家で気楽に観られる」をコンセプトに、NETFLIXからオススメ映画を選んでもらった。
「歌って踊れるクリスティーナ・アギレラに憧れて、ボーカルレッスンに通ったりしましたよ(笑)」。
取材中、祐介さんが暴露した意外すぎる過去。普段はクールな祐介さんに、そこまで影響を与えた映画とは一体……? 「男心をくすぐられてドキドキした映画」に続く第2弾は、「音楽映画」について話を聞いた。
ポップコーンを頬張る平山祐介

平山祐介をボーカルレッスンへと通わせた衝撃の映画

──音楽映画やミュージカルも観るんですか?
平山 観ますよ。『バーレスク』なんか大好きです。これは2010年に公開された映画で、歌手のクリスティーナ・アギレラが主演のミュージカルドラマ。日々ウェイトレスとして働きながらも、いつかステージに立つことを夢見る主人公が、ある日を境に才能を開花させていくサクセスストーリーです。
ボーカルレッスンに通った過去を明かす平山祐介
──どんなところに心を掴まれたんですか?
平山 ストーリーは本当に単純明快なんです。アギレラ演じる主人公は歌手になることを夢見て、田舎からロサンゼルスに出てくる。で、たまたま「バーレスク」というラウンジで働くことになるんですけど、最初はウェイトレスとして採用されるんですよ。だけど、ある日、たった1回のチャンスで周囲の人間を圧倒するパフォーマンスを披露する。
その歌と踊りがむちゃくちゃカッコよくて。ワンチャンスをものにするって最高にカッコいいですよね。それを観て「うわぁ、おれもアギレラになりてぇ!」って思った(笑)。実は、映画を観た直後にボーカルレッスンに少し通いました。それくらい、本気で憧れちゃったんですよね。
──ええ!? 映画に影響を受けてボーカルレッスンに通ったんですか!?
平山 ここだけの話ね(笑)。それくらい、本当にカッコよかったし、影響を受けた。人前でパフォーマンスをする人じゃなくても、この映画には触発されると思います。自分もやればできるかもしれない、やってやろうって思えるんですよね。
エンターテインメントに携わっている人間は誰しも、観た人に影響を与えたいと思ってやっています。実際に僕はこの映画で突き動かされてボーカルレッスンにも通ったわけで、僕も誰かを突き動かす人になりたいと思っています。
バーレスク(2010)
監督・脚本|スティーヴ・アンティン 主演|クリスティーナ・アギレラ。歌手になることを夢見てアイオワからロサンゼルスに出てきた主人公、アリ。「バーレスク」でウェイトレスとして働くことになるが、ある日、代役で舞台に上がることに。パワフルな歌声と踊りは評判を呼び、バーレスクは連日大盛況に。だが、バーレスクは多額の負債を抱え、存続の危機に陥っていた。

ブラックミュージック好きの祐介さんが愛したヒップホップ映画

エミネム愛を語る平山祐介
──音楽映画は好んで観るほうですか?
平山 音楽映画を率先して観ているわけじゃないけど、音楽は好きですよ。オールジャンル聴きますが、いちばん好きなのはヒップホップとR&B。エミネムが主演した『8 Mile』なんてめちゃくちゃ好きですよ。
──まさかその影響でラップレッスンにも通ったとか……?
平山 さすがにそれはない!(笑)。『8 Mile』はDVDもサントラも持っています。ビデオテープなら擦り切れてるだろうってくらい観ました。サントラの楽曲もすべていいし、エミネムのファッションも、シンプルだけどちょっと朽ちた感じがアメリカ・デトロイトの街に馴染んでいて、すごくカッコいい。
この映画はエミネムの実生活に近い内容になっていて、半自伝的映画とも言われています。黒人しかいないヒップホップという世界に白人がひとりで挑んでいくストーリーです。
──人種や差別問題にもともと関心がある祐介さんには響きそうなテーマですね。
平山 そうなんです。人種差別の問題をベースにした映画にはもともと興味があって、スパイク・リー監督の作品も大好きです。彼の映画は黒人が白人社会に入っていく物語が多いですが、『8 Mile』は逆です。最初は白人がラップをやることを黒人にバカにされるんだけど、次第にエミネムがラップバトルでのし上がっていく。その様子が痛快に描かれています。
彼は白人ラッパーとして初めて認められた人ですが、この映画を境に彼のスタイルも変わったと思います。それまではちょっとポップな白人ラップという感じでしたが、『8 Mile』以降は白人ラップでも黒人ラップでもない、エミネムのオリジナルのラップが全面に出てきたんじゃないかなって気がするんです。
8 Mile(2003)
監督|カーティス・ハンソン 主演|エミネム。母親と妹と3人でトレーラーハウスで暮らす、エミネム演じる主人公B・ラビット。夢は貧困と犯罪に満ちた地元・デトロイトを抜け出し「8マイル」の向こう側に行くこと。得意のラップでバトルに出場するが、黒人ばかりの世界にプレッシャーを感じ、棄権。それでもまたバトルステージに立とうとする白人青年の奮闘を描いた青春ストーリー。

指導? 体罰?「教育」について考えさせられる作品

教育について語る平山祐介
──映画は大画面と大音量で臨場感が味わえますから、まさに音楽との相性なんて抜群ですよね。
平山 ああ、そういう意味で言うと『セッション』も最高だったな。出てくる先生が本当にえげつなかった(笑)。
──鬼教官のような先生が男子生徒にドラムを熱血指導……? する作品ですよね。
平山 そう。主人公の男子生徒のドラム演奏が本当にすごくて。彼を演じた俳優は相当ドラムの練習をしたらしいですよ。半端じゃない練習量だったと思います。ドラムスキルの説得力があるからなおさら、最後のどんでん返しが効いていた。まさかこいつがそんなやつだったとは!って。その面白さが最高でしたね。
──観た後に気分が悪くなったという感想もあって、「あれは単なる暴力じゃないか」っていう議論にも発展していましたね。
平山 確かに先生がヤバいくらい厳しくて、えげつない。精神的、肉体的な暴力を伴う指導、もしくは体罰は、今の教育とは真逆にあるやり方です。
僕は最近子供が生まれたばかりなので無責任なことは言えませんが、厳しく接する教育はある程度必要じゃないかって考えている方ですね。イライラするからって大人が子供に、先生が生徒に暴力を振るうというのは間違いなく体罰です。
でも、子供のためを思ったら100%優しさだけで接していていいのかな、ときに厳しく接することも必要なんじゃないかな、とも思います。これから自分がそのことで悩んだり、四苦八苦していくんでしょうね(笑)。
セッション(2014)
監督・脚本|デイミアン・チャゼル
。ジャズドラマーに憧れる19歳の主人公ニーマンは、アメリカ最高峰の音楽学校音楽院に通っていた。ある日、学院最高の指導者と名高いフレッチャーと出会うが、フレッチャーはスポ根で狂気の鬼教官。罵詈雑言を浴びせ、椅子を投げつけるなどの精神的、体力的暴力を振るう。ニーマンは文字通り血のにじむような猛特訓を開始するのだが……。
映画をキッカケに、社会問題の議論へと発展する。これぞ観る人に“考える機会”を与えてくれる芸術のチカラである。改めてそう感じさせてくれた祐介さんへのインタビューは、まだまだ続く。
 
清水健吾=撮影 勝間亮平=ヘアメイク ぎぎまき=文


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