「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは・・・別に、好かれなくても良いが……
人事コンサルティング会社、人材研究所代表の曽和と申します。ただいま48歳のアラフィフで、まさに「就職氷河期世代」です。この連載のテーマは20代の若者部下から信頼される上司になるにはどうすれば良いかということです。
この、信頼される、というのはイコール好かれるということではありません。上司は部下とともに、事業や仕事の目的を達成すれば良いのです。好かれていてはできないこともあります。嫌われる勇気が必要なこともあります。ですから、好かれなくてはいけないというわけではありません。
しかし、現実的には心底嫌われるとマネジメント上不利になる場合が多いでしょうし、上司自身も心地の良いものではありません。できれば若い部下たちに好かれながら、気分良く組織目標を実現していくためにはどうすべきか。これを考えていきたいと思います。
若者と共感の接点を持てるか
さて、第1回目のテーマは「共感」です。人と人との間に信頼関係ができるためにはなんらかの部分で共感の接点がないといけません。「この人は自分となんだか同じ匂いを感じるなあ」と思うからこそ、言っていることを素直に受け止めることができるからです。
逆になんとなく正しそうなことを言っていても、自分とは価値観が違うと感じられる相手には首肯したくないと思うのも人情。それゆえ、なかなか難しいとは思いますが、我々40代も若者との接点を探していかなくてはなりません。
しかし、問題はどこを共感の接点に持っていくかです。全然違うのに無理やり「オレもお前と一緒」と言われたら逆に引かれるだけです。あくまでも自然に、相手も「確かにそうだね」と言ってくれるようなポイントで、共感の接点を探さなくてはなりません。
「お互いに不景気な時代に生まれたよな」は通用するか
よく共感ポイントとして我々世代が持ち出してしまうのが、「オレもおまえも、同じ不景気世代」ということです。団塊ジュニア世代や氷河期世代、最近では人生再設計第一世代とさえ呼ばれてしまう我々世代は、恵まれない時代に生まれたという変な自負心があります。
社会に出たとき、バブルは終わっていて何の恩恵も受けることができず、まだインターネット革命は起こっておらずデジタルネイティブにもなれず、脂の乗り切ってきた頃にリーマンショックが起こり少しばかりの資産も失い、そして現在ではリストラの対象ど真ん中に。思えば辛い世代です。
今の20代の若者は、我々世代の社会人時代に成長したわけですから、年齢や立場は違えども「お互いに不景気な時代に生まれた」と言いたくなるのもわからなくもありません。
しかし、若者は共感してくれるでしょうか。
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