度々、旅。 Vol.10
2019.09.10
LIFE STYLE

カリフォルニアでいちばん暑くてアツい街、パームスプリングスの歩き方

食う“寝ず”遊ぶカリフォルニア●旅先(=非日常)で得るインプットは、男の日常のアウトプットに大きな影響を与える。1981年生まれ、一児の父、オーシャンズ世代ど真ん中のトラベルエディター伊澤慶一さんは、だから今日も旅に出る。連載「度々、旅。」の3回目の目的地はカリフォルニア。寝る間も惜しんで巡る、食のスポットと遊びのスポット。

ロサンゼルス・ダウンタウン(DTLA)オレンジカウンティと紹介してきたカリフォルニア旅ですが、今回の旅でいちばん衝撃を受けたのがパームスプリングスでした。

ロサンゼルスの人たちが気軽に遊びにいくお気に入りのバカンス先であり、言うなればLAっ子の軽井沢! ただし避暑地ではなく避寒地なので、夏場の気温は40度超え。文字通り、暑くてアツいパームスプリングス。その魅力と過ごし方を紹介しましょう!

パームスプリングスってどんなとこ?

そもそもパームスプリングスは、ロサンゼルスからインターステイト10号線をまっすぐ東へ、170kmほど行った先にあります。途中、緑がだんだんと少なくなる代わりに、風力発電の風車が増えてきたら、まもなくのシグナルです。

このあたりは年間350日以上が晴天という気候のため、「砂漠のリゾート」と紹介されることも。その歴史は古く、20世紀半ば、フランク・シナトラやエルビス・プレスリーといったスターたちがこぞって豪邸を立て、高級別荘地としての輝かしい歴史が花開いたと言われています。

LAから車で約2時間。この移動時間が大事で、実はかつてハリウッドの映画関係者たちの間では、「2時間以内にスタジオに戻って来られる場所にいること」というルールがあったそう。そんな彼らにとって、パームスプリングスは条件をギリギリ満たす恰好の逃避行先だったのです。

グレーター・パームスプリングスの区分け。空港があるのがパームスプリングス。
パーム・スプリングスのダウンタウンの様子。意外と都会?

ちなみにパームスプリングスとは、正確にはグレーター・パームスプリングス地方のひとつの都市名。音楽フェスティバルで知られているコーチェラや、「砂漠のビバリーヒルズ」と称されるランチョ・ミラージュなど、個性豊かな9都市から成っています。なかでも人気なのは、やはりパームスプリングスでしょう。

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どこに泊まるか悩ましい。でもそれが楽しいホテル激戦区

パームスプリングスの楽しみ方はさまざまですが、オススメはズバリ、ホテル選びです。ミッドセンチュリーのモダン建築をリノベーションし、家具やデザインなどハイセンスなホテルが多いのが特徴。イベントシーズンでなければ、宿泊代も1万円台からのところが多く、ロサンゼルスやアナハイムと比べてもリーズナブルです。

青と白を基調にした爽やかなデザインで暑さも忘れさせてくれるホテル「ホリデー・ハウス」。(c)Holiday House
「ホリデー・ハウス」は客室も青と白でまとめられている。(c)Holiday House
1933年に建てられた建物を明るく改装した「ザ・コロニー・パームズ」。(c)Colony Palms
どことなくスペインらしさを感じる雰囲気の「ザ・コロニー・パームズ」。(c)Colony Palms
「キンプトン・パームスプリングス」のロビー
シンプル&モダンな「キンプトン・パームスプリングス」のロビー。チェックインからテンションがあがる!(c)Kimpton Hotel
ダウンタウン中心の便利なロケーションにある「キンプトン・パームスプリングス」。プールとメインダイニングは屋上に。(c)Kimpton Hotel

また、パームスプリングスは日中暑すぎてプールサイドでチルして過ごすことになるため、必然的にホテル選びが非常に大事になる、という側面もあります。どこに泊まるか、各ホテルの写真を眺めながら、プールサイドにいる自分を想像するのも楽しい時間です。

僕のお気に入りで、パームスプリングスに初めて来たら「ここに泊まっておけば間違いないよ」というのがエースホテル&スイムクラブです。

(c)Ace Hotel & Swim Club

ここは20世紀半ばに建てられた近代モーテルをリノベーションしたホテルで、客室にはレコードプレーヤーが設置されており、ホテル全体にボヘミアンな雰囲気が漂います。また、ダイニングの「キングス・ハイウェイ」は、かつてデニーズだったというのが信じられないほどオシャレに生まれ変わりました。

LAから観光客を引き寄せるためにも、どこもしのぎを削り、センスの良さを競い合う。そんな印象を受けるのが、パームスプリングスのホテルです。

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ジープに乗って向かうはジョシュアツリー

また日中のアクティビティも豊富で、例えばスタイリッシュなオープンエア&真っ赤な車体のジープツアー(https://red-jeep.com)では、インディアン・キャニオンやジョシュアツリー国立公園を巡るルートが人気です。

特にジョシュアツリーはロサンゼルスからいちばん近い国立公園として人気で、ロサンゼルスから日帰りでくることも可能ですが、できればパームスプリングスに滞在して、のんびりとサンセットや星空を鑑賞してほしいと思います。

また世界最大の回転式ロープウェイ、エリアル・トラムウェイ(https://www.pstramway.com)に乗れば、約10分間で標高2596mの中腹駅まで上昇。コーチェラバレーを眼下に見下ろしながら、直前までの猛暑が嘘のような、高原の心地よさを体感できます。駅を出ればサンジャシント山州立公園の入り口になっており、ここからトレッキングを楽しむ観光客も多いそう。

(c)Palm Springs Tramway

アナハイムと比べるとアクティビティはやや大人向けで、ホテルもほとんどダブルベッドなので、パームスプリングスは一人旅や家族連れではなく、カップルかパートナーとの滞在が向いているのかなと思います。

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パームスプリングスはフリーダム先進エリアだ!

ちなみに、パームスプリングスはLGBTフレンドリーなリゾート地として知られ、11月にはLGBTを支持するパレード「グレーター・パームスプリングス・プライド」が開催されるなど、街中で数多くのLGBTの人を見かけます。そうした、自由で寛容な空気を実際に感じ取れるのもこの街の魅力です。

(c)Coachella

あと、このエリアで忘れていけないのは、世界の音楽とファッショントレンドを牽引する「コーチェラヴァレー・ミュージック・アンド・アート・フェスティバル」の存在でしょう。同じプロモーターが仕掛けるプール型音楽フェスティバル「スプラッシュ・ハウス」もそうですが、若者に影響力にあるイベントを開催しており、若者の間で“パームスプリングス=イケてる”とブランディングに成功しているように思います。

毎年4月、2週に渡って開催されるコーチェラ。この期間はグレーター・パームスプリングス中のホテルの値段が跳ね上がる。(c)Coachella
(c)Splash House
(c)Splash House
ルネッサンス、リビエラ、サグアロという3つのホテルのプールを会場とする新しいタイプの音楽フェス、スプラッシュ・ハウス。(c)Splash House

オシャレなLAっ子たちが愛するバカンス地。暑くて、とにかくアツい、パームスプリングスにも、いつか足を運んでみてはいかがでしょうか?



伊澤慶一●1981年生まれ、子持ち。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。

伊澤慶一●1981年生まれ、一児の父。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。60カ国以上の渡航歴を持つが、いちばんのお気に入りはハワイ。


カリフォルニア観光局、アナハイム観光局=取材協力
www.visitcalifornia.com/jp
https://jp.visitanaheim.org/

# アクティビティ# コーチェラヴァレー・ミュージック・アンド・アート・フェスティバル# パーム・スプリングス# ホテル
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