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2019.09.02

ライフ

アーロン・ローズに聞いた“美しき落ちこぼれ”たちの10年後【前編】

何だか敷居が高くて、どこか遠く知らない場所の住人のように感じられがちな“アーティスト”という肩書き。だけど、そんなふうに呼ばれ、持てはやされる彼らもただの人間で、不遇の時代や多くの葛藤を乗り越えてその個性を世に示してきた。
アーロン・ローズ(Aaron Rose)
『ビューティフル・ルーザーズ』は、かつての僕らにそれを教えてくれたドキュメンタリー映画だ。公開から約10年。そのムーブメントを起こした張本人、アーロン・ローズは仲間たちとともに再び日本にやってきた。彼が語る、90年代の仲間たちとの思い出と、今のこと。

名だたるアーティストたちが東京に集まった1週間

渋谷と原宿のちょうど間、平日の遊歩道。いつでも人が行き交っているエリアだけれど、この日の賑わいはちょっと異常だった。
会場の周辺は人で溢れかえった。Photo by Delone Bone
黒山の人集りの中心にあるのはカルチャー好き御用達のブランド、RVCA(ルーカ)の旗艦店とその向かいにあるギャラリーで、展示されているのは映像から立体物、写真にコラージュまで、手法もテイストも異なる作品たち。
これらはすべて、2008年公開の映画『ビューティフル・ルーザーズ(BEAUTIFUL LOSERS)』ゆかりのアーティストが手掛けたもの。先日RVCAが開催した「RVCA WORLD TOUR TOKYO」の一環として行われたのが同作に再びフォーカスするという試みで、バリー・マッギー(BARRY MCGEE)にエド・テンプルトン(ED TEMPLETON)など、このイベントに際して来日したビッグネームたちをひと目見ようと、多くの人々が集まった結果がこの光景というワケだ。


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