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2019.08.02

かぞく

ママ友にも愚痴れない。仕事を辞めた妻が後悔する、お金以外の理由

主婦

連載「夫たちが知らない、妻の本音」
うちの夫婦関係はうまくいっている……と思っていても、妻たちの心の中には、溜め込んだ不満が何かしらあるものです。そこで、普段夫に言えない本音を、子供を持つ妻たち200人に大調査。現役ママである筆者の解説を交えて紹介します。


 専業主婦が感じる、社会からの疎外感や孤独感


女性は妊娠・出産を経験すると、フルタイムの仕事を辞めて家事や子育てに専念するか、または産・育休を取って、時短やフルタイムで元の職場に戻るか、人によってはここで大きな選択を迫られることになります。

連載第1回は、フルタイムの仕事を辞め、専業主婦になったり、パートタイムで働くようになったりしたママたちに、出産前にやっていた仕事を辞めて後悔を感じたのはどんなときかを聞いてみました。

アンケートを集計すると、もっとも多いのは世帯収入が減ってしまったことに対する後悔です。

しかし、その次に多かったのが、仕事を辞めたことによって、社会から切り離された孤独感を感じたり、社会的地位が下がったと感じるという意見でした。


Q.フルタイムの仕事を辞めたことを後悔するのはどんなときですか?

「社会から孤立してしまった気がしたとき」(東京都・37歳)
「産休を取って復帰し、フルタイムで働いている友人を見て、取り残されている気がしたとき」(神奈川県・43歳)
「社会的地位が下がった気がしたとき」(神奈川県・38歳)
「フルタイムを続けている友人から充実している仕事の話を聞いたとき」(東京都・39歳)


夫に「主婦になってほしい」と言われて仕方なく辞めたというケースもあるでしょうが、多くの場合は妻側も、今は子育てを優先させようと納得して辞めたのだと思います。しかし、いざ辞めてみると、孤独感や疎外感を感じている人が少なからずいるということがわかります。

じつは、こういった仕事に関する本音は、ママ同士の会話ではあまり聞く機会がありません。

私はこれまで仕事も兼ねて多くのママに仕事や子育てのことをヒアリングしてきましたが、今回の回答を見たときに、意外だと感じました。

私が話を聞いた専業ママたちは仕事を辞めた理由として「子育てを優先させたいから」「子供が小さいうちはじっくり子供と向き合いたいから」とか、「外で働くより主婦業が自分に合っていると思ったから」などを挙げた人が多く、積極的に主婦業を選んで充実しているというスタンスでした。

しかし、今回の回答を見て、そうではない本音を心のどこかに持つママもいるのだということに改めて気付かされました。

ひょっとすると、日常生活には特に不満はないけれど、ふとしたときに、孤独感や疎外感を感じるということが誰にでもあるのかもしれません。

 

妻のやりがい・キャリアを考えることも夫には必要


よく考えれば、主婦業は孤独な仕事です。

愚痴を言い合える同僚がいるわけでもなく、仲間と協力しあって仕事を進めていくということもありません。しかも、仕事のゴールがあるわけでもなく、家族の生活が続く限り、半永久的に毎日仕事は続きます。

今回行ったアンケートの回答の中には「人と会話することが極端に減り、会話が苦手になったと感じたとき」(39歳)、「家族以外との交流がないことに気づいたとき」(35歳)というコメントもありました。

家族や子供に喜ばれることや、子供がすくすくと成長することに充実感を感じられ、それをじっくりと味わえるのが主婦業のやりがいと言えるのでしょう。

しかし、その反面、やはり女性も外に出て働き、仕事の評価を得たり、給与を得たり、人から喜ばれたりすることを求める気持ちもあること。特に独身時代にバリバリ働いた経験がある人ほど、割り切れない気持ちを抱えていることを、せめて夫には理解してほしいという気持ちがあるのです。

「働かないで生活できるなんて幸せだろう」などと言う男性がたまにいますが、そうではなくて、きちんと妻の今後のキャリアについても、一緒に考えていただけると、より夫婦関係が良好に続くのではないかと思います。



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