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ブランクが長すぎると、気づいたときには再就職困難に


もうひとつ、この質問(Q.仕事を辞めたのを後悔するのはどんなときですか?)の回答の中に散見されたのが、再就職に関することです。

「同じぐらい給料をもらえる仕事に復帰しづらい。子供の小さい時期を耐えればあの給料で続けられたのに……と思う」(茨城県・39歳)
「少し子供が手を離れたときに、再就職しようと思ったのですが、なかなかうまくいかなかったとき」(東京都・37歳)
「再就職する自信が持てないとき」(大阪府・41歳)


子供が小学校の3〜4年生くらいになると、かなり手が離れるので、そろそろ仕事をしようと考え始めるママは多いようです。

そのときにぶち当たるのが再就職の壁。

以前に派遣会社の営業の方に聞いた話によると、5年以上ブランクがあると、再就職が難しくなるそう。もし出産で一度仕事を離れた場合でも、子供が5歳くらいまでのうちに復帰を考えたほうが仕事を探しやすいそうです。

また、高学歴ママならではの壁もあります。

以前に話を聞いたママ友は、有名大学を出て金融機関で働き、出産を機に退社。下の子が小学校に入るタイミング、つまり9年ほどのブランクののちに仕事を探したけど、やりたい仕事がないと嘆いていました。

仕事を選ばなければいくらでもあるだろう……と思ってしまいますが、そのママ友が言うには「今さらレジ打ちというのもなんだか抵抗感がある」とのこと。

レジ打ちや簡単な接客業をやってくれる従業員だって、企業にとっては大事な戦力。個人的には、もしそれらの仕事をやることになっても、それはそれで楽しく働けそうな気がしますが、その反面、「抵抗感がある」という気持ちも、わからなくはないです。

あまりに長い期間仕事のブランクがあると、どんな仕事であっても、何らかのハードルを感じてしまうのかもしれません。

子供が高校生や大学生になってしまった先輩ママたちがよく言うのは「子供に手がかかる時期はほんの数年のこと。手が離れて以降のほうが長いので、仕事ではなくても、なにか自分のためにできることを探しておいたほうがいい」ということ。

子育てが一段落したときに、今まで子育てに向かっていた妻の時間とパワーが、家庭の中で今度は夫に向くことになるでしょう。そうなると、夫に対して過保護とも思える対応をしてくるかも……。もしそれを望まないなら、今からでも、妻のキャリアプランを一緒に考えてみてはいかがでしょうか?

 

相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小1の娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

石井あかね=イラスト ネオ・マーケティング=アンケート協力 ※調査対象:既婚子持ちの35〜45歳の女性200人

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