妻からの「キツイひと言」読解講座 Vol.7
2019.05.31
LIFE STYLE

これくらいで妻はなぜ怒る?「子供に甘い」が意外と一大事な理由

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子供を甘やかす夫

夫たちが妻から言われた「キツいひと言」の裏側を、現役ママでもある筆者が紐解く本連載。今回は、子供のしつけにまつわる夫婦間の意識のズレが原因で発せられるセリフについて解説します。

子供と一緒にいる時間が少ないパパほど甘い

「子供が欲しいと言ったものをすぐに買ってあげたときなどに『子供に甘い!』と言われる。ちょっと厳しすぎないか……と思うことがある」(男性・35歳)

ママ同士の会話でたびたび聞こえてくる「うちのパパは甘い」というセリフ。例えば、ママたちが「パパ甘い」と感じるのは、こんなシーンです。

<「夫が子供に甘い」と感じるシーン>

・子供とパパで出かけて、子供におねだりされたものを気軽に買ってあげてしまう。

・パパと子供で留守番をさせたら、好きなだけテレビや動画を見せていた。また、それによって夜更かししていた。

・子供とパパで出かけたときに、甘いジュースを大量に飲ませたり、お菓子を食べさせ過ぎたりする。 

普段子供と一緒にいる時間が少ないパパほど、子供の喜ぶ顔を見たくて、ついつい言われるがままに欲しいものを買ってあげたり、余計にお菓子を食べさせたりしてしまうようです。

毎日子供と向き合い、基本的な生活習慣や勉強の習慣、礼儀作法などを根気良く教えてきたその積み重ねが、パパの行動で崩されたと感じたときに出てしまうのが、「パパは甘い」というセリフ。このセリフが妻から出たとき、妻はこれまでの努力が無下にされてしまったように感じているのだろうと思います。

今年4月に娘が1年生になった我が家で、先日こんなことがありました。私が仕事の打ち合わせと会食で夜遅くなる日。学童のお迎えから寝かしつけまでを夫に任せて出かけました。

そうしたところ、私が夜中に帰ってみると、ランドセルを開いた形跡がありません。洗濯しなければならないものも、連絡帳も、学校から配られたプリントも、ランドセルに入ったまま。もちろん宿題もやってありません。

夫を問いただしたところ、夕方公園で遊んでいたら遅くなって、帰ってご飯を食べて、お風呂に入ってそのまま寝ちゃった……と。「もっと遊びたい」と言われて、楽しそうなのでついつい遅くまで遊んでしまったのだそうです。

少しでも早く学校生活や勉強に慣れるようにと、「宿題と音読は帰ってきたらすぐにやろうね」とか「連絡帳とプリントはすぐに出そう」とか、「寝る前に必ず翌日の準備をしよう」といったことを、毎日言い続け、やっと理解してくれるようになってきたのに……とがっかりしました。

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子供に矛盾していると思われないために一貫した方針を

このような場合、「いいじゃん、1日くらい。そんなに怒るなよ」などと思うかもしれませんが、子供たちの生活は、1日1日の積み重ねが大事。また「パパのときは、面倒臭いことをやらなくていい」と子供が認識してしまうのは、親の意見に一貫性が無いことになり、子供にとっていいことではありません。

「ママが毎日うるさく言っていることは、それほど重要なことではない」と思われてしまう可能性があります。

もう少し言えば、「1日くらいいいじゃん」というのは、こうした子供への日々の働きかけを、自分事と思っていないから気軽に言えるのではないでしょうか。

「宿題やりなさい」「洗い物出しなさい」など、簡単なことに聞こえるかもしれませんが、1回言っただけでスムーズにやる子供など、多くはありません。1日に何回も言って、もう言い疲れた頃にやっとやる、くらいの感覚です。

こうしたママたちの毎日の積み重ねがあるからこそ、「子供に甘い!」と、ついつい夫にも厳しくなってしまうのだと思います。

 

さて、冒頭でご紹介したコメントのような、子供におねだりされたものを簡単に買ってあげてしまい、ママから「パパは甘い」と言われるケース。

さすがに高額なおもちゃを気軽に買ってあげてしまうパパはそれほどいないと思いますが、例えばよく聞くのが、付録のついた子供向けの雑誌など、買おうと思えばすぐに買える金額のもの。

「付録付きの雑誌は1カ月に1冊と決めているのに、その約束を破って、パパが買ってあげちゃうから困る」といったエピソードは何度か聞いたことがあります。

ママとしても、たまには例外を作ってもいいのかな……という気持ちはあるんです。しかし、それを続けていくと、どこまで例外を作っていいのかがわからなくなり、子供も「もう少し粘れば買ってくれる」ということがわかってくるので、駄々をこねたり、泣いたりして何とか買ってもらおうとしてくる。

また、「先月は3冊買ってくれたのに、どうして今月は1冊しかダメなの?」というように、親の矛盾に鋭く突っ込んできたりします。そうなると面倒なので、どんなに泣かれてもきっぱりと約束は守っておきたい、というのが「パパは甘い」と言うママたちの本心だと思います。

なお、今回話題にあげたエピソードは、「パパは甘い」という言葉を解説するための一例に過ぎません。

おもちゃの買い方も、生活習慣や学習のルールも、親の考え方はそれぞれ違うもの。どれが正解でどれが不正解というのはないので、家庭ごとによく話し合って決めておけばいいのではないでしょうか。

 

相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

MIYU=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
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