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子供に矛盾していると思われないために一貫した方針を

このような場合、「いいじゃん、1日くらい。そんなに怒るなよ」などと思うかもしれませんが、子供たちの生活は、1日1日の積み重ねが大事。また「パパのときは、面倒臭いことをやらなくていい」と子供が認識してしまうのは、親の意見に一貫性が無いことになり、子供にとっていいことではありません。
「ママが毎日うるさく言っていることは、それほど重要なことではない」と思われてしまう可能性があります。
もう少し言えば、「1日くらいいいじゃん」というのは、こうした子供への日々の働きかけを、自分事と思っていないから気軽に言えるのではないでしょうか。
「宿題やりなさい」「洗い物出しなさい」など、簡単なことに聞こえるかもしれませんが、1回言っただけでスムーズにやる子供など、多くはありません。1日に何回も言って、もう言い疲れた頃にやっとやる、くらいの感覚です。
こうしたママたちの毎日の積み重ねがあるからこそ、「子供に甘い!」と、ついつい夫にも厳しくなってしまうのだと思います。
 
さて、冒頭でご紹介したコメントのような、子供におねだりされたものを簡単に買ってあげてしまい、ママから「パパは甘い」と言われるケース。
さすがに高額なおもちゃを気軽に買ってあげてしまうパパはそれほどいないと思いますが、例えばよく聞くのが、付録のついた子供向けの雑誌など、買おうと思えばすぐに買える金額のもの。
「付録付きの雑誌は1カ月に1冊と決めているのに、その約束を破って、パパが買ってあげちゃうから困る」といったエピソードは何度か聞いたことがあります。
ママとしても、たまには例外を作ってもいいのかな……という気持ちはあるんです。しかし、それを続けていくと、どこまで例外を作っていいのかがわからなくなり、子供も「もう少し粘れば買ってくれる」ということがわかってくるので、駄々をこねたり、泣いたりして何とか買ってもらおうとしてくる。
また、「先月は3冊買ってくれたのに、どうして今月は1冊しかダメなの?」というように、親の矛盾に鋭く突っ込んできたりします。そうなると面倒なので、どんなに泣かれてもきっぱりと約束は守っておきたい、というのが「パパは甘い」と言うママたちの本心だと思います。
なお、今回話題にあげたエピソードは、「パパは甘い」という言葉を解説するための一例に過ぎません。
おもちゃの買い方も、生活習慣や学習のルールも、親の考え方はそれぞれ違うもの。どれが正解でどれが不正解というのはないので、家庭ごとによく話し合って決めておけばいいのではないでしょうか。
 
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
MIYU=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人
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